マツケンサンバ2の振付師・真島茂樹さん死去 「虚血性心不全」の症状や原因を解説
虚血性心疾患の予防法
編集部: 虚血性心疾患が疑われるときはまず救急車を呼ぶべきですか? 武井先生: 虚血性心疾患の症状があらわれた場合は、救急車を呼ぶのが最善の方法です。次のような症状が15分以上続く場合は、速やかに救急車を呼んでください。 ・胸・上半身の強烈な痛み ・吐き気・嘔吐 ・冷や汗 ・呼吸困難 上記の症状が15分以上続く場合、心筋梗塞が疑われます。心筋梗塞は、発症から治療開始までの時間が長いほど、回復の可能性が低くなります。治癒したとしても、その後に重い後遺症が残ることも少なくありません。つまり発症後は、迅速に医療機関に搬送する必要があります。 一方、症状が15分以内に治まる場合は狭心症が疑われます。狭心症は心筋梗塞ほどには火急の治療が必要ありません。しかし、狭心症だったとしても決して放置はしないでください。狭心症は心筋梗塞に発展するおそれが高いためです。なお、心臓発作などの症状があらわれた際、救急車を呼ぶまでに必ずしも15分以上待つ必要はありません。 症状が激しい場合や、すこしでも様子がおかしいと思う場合は、ためらわずに救急車をお呼びください。 編集部: 虚血性心疾患の予防法はありますか? 武井先生: 虚血性心疾患は多くの場合、生活習慣に起因します。たとえば、高脂質・高カロリーな食事は虚血性心疾患のリスクを高めます。また、運動不足や肥満も虚血性心疾患の原因です。 これらの生活習慣を改善することで発症リスクを低減できます。あわせて、飲酒・喫煙習慣の見直しも行ってください。特に喫煙は虚血性心疾患のリスクを1.7~1.9倍高めると指摘されています。心臓病予防の観点からは、たばこはやめることが望ましいです。飲酒についてもほどほどの量を心がけることが重要です。 編集部: 規則正しい生活を送ることが大切なのですね。 武井先生: 規則的な生活習慣を心がけると虚血性心疾患のリスクは下がります。 ・栄養バランスのよい食事 ・適度な運動 ・肥満予防 ・禁酒・禁煙 食事は低脂質・低糖質・低カロリー、そして栄養バランスを整えることを意識してください。運動はウォーキング・水泳などの、心拍数の上昇が軽度である有酸素運動を20分以上実施することが重要です。しかしすでに心臓を患っている方は、運動によって症状が悪化するおそれがあります。運動方法については、主治医とよくご相談ください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 武井先生: 虚血性心疾患は心筋梗塞などに進むおそれもある疾患です。しかし症状があらわれたとしても、適切な対応をとれば重症化は防げます。胸痛などの症状が15分以上続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。様子がおかしいと感じるときは、ためらわずに救急車をお呼びください。また、生活習慣を見直すなどして、普段から予防を心がけることも大切です。