マツケンサンバ2の振付師・真島茂樹さん死去 「虚血性心不全」の症状や原因を解説
虚血性心疾患の検査方法と治療法
編集部: 虚血性心疾患は早期発見できますか? 武井先生: 虚血性疾患早期発見が可能です。発見・治療が早いほど、その後の重症化・後遺症のリスクを低減できます。しかし虚血性心疾患は重症化するまで症状が出ないことも少なくありません。 発見が遅れるほど治療開始も遅くなります。つまり、後遺症などのリスクが高まるのです。できる限り早く異常に気づくには、定期的に検査を受けるのが1番の方法です。早期発見のためにも、年に1回は健康診断・定期検診を受けてください。 編集部: 検査方法にはどのようなものがあるのでしょうか? 武井先生: 虚血性心疾患の診断では、まず問診によって狭心症・心筋梗塞などの症状の有無を確かめます。胸痛などの症状がある場合は、心臓の検査に進みます。 ・胸部レントゲン検査、CT検査 ・心臓超音波検査 ・心電図検査 ・心エコー ・心筋シンチグラフィー もっとも一般的な検査方法は冠動脈のCT検査です。CT検査とは、X線を照射して臓器の様子を画像化する方法です。CT検査では、冠動脈の内部の様子を直接確認できます。近年は技術の進化により、些細な血管の狭窄・閉塞の発見も難しくありません。つまり、将来的に虚血性心疾患を発症しやすい方のリスク低減を期待できます。 編集部: 治療法はありますか? 武井先生: 虚血性心疾患の主な治療法は下記の3種類です。 ・薬物療法 ・冠動脈バイパス術 ・冠動脈カテーテル術(経皮的冠動脈形成術) 薬物療法は、主に狭心症の治療に用いられます。代表的な治療薬は、血管拡張作用のある抗狭心症薬です。重度の狭心症では、冠動脈バイパス術・カテーテル術が用いられることもあります。再灌流療法とも呼ばれる治療法です。バイパス術では狭くなった血管に迂回路を作って血流を維持します。対してカテーテル術では、血管の狭くなった部位に風船などを通して拡張します。心筋梗塞は迅速な治療を要するため、再灌流療法が用いられるケースがほとんどです。 編集部: 心臓に関わる病気となると合併症が心配です…。 武井先生: 合併症を起こしやすいのは心筋梗塞です。 ・不整脈 ・心不全の悪化 ・心破裂 ・乳頭筋断裂 心破裂は心筋から出血する症状です。心室中隔穿孔では心臓の内部に穴が開くことで、心臓内での血液の逆流が起こります。乳頭筋断裂は、心臓内部の弁が機能しなくなる状態です。同じく心臓内で血液の逆流が発生しやすくなります。いずれも急激な心不全を起こしやすく、そのまま死に至ることも少なくない合併症です。