ビタミンD不足のサインとは? 健康への影響と摂取方法も
ビタミンDの値を心配するべき人
日光がビタミンDの重要な供給源の一つであることを考えると、多くの時間を屋内で過ごす人、日焼け止めを塗ったり肌の露出の少ない服を着ている人、大気汚染のある地域や赤道から離れた寒い気候に住んでいる人は全員、普段から日光にさらされている人に比べてビタミンD欠乏症のリスクが高いでしょう、と説明するジョーンズさん。さらに、肌の色が濃い人は薄い人より日光を吸収しないため、ビタミンDの生成に影響がでる可能性があるという。 また米国立衛生研究所(NIH)は、ビタミンDを生成する皮膚の能力が年齢とともに低下するため、高齢者もリスクが高いと指摘している。 屋外でランニングする機会が多く、バランスの取れた食事を優先している人は、自分はビタミンD欠乏症とは無縁だと思うかもしれない。しかし研究によると、ビタミンD欠乏症は持久系アスリートによく見られることが分かっている。 アスリートが欠乏症になりやすい理由の一つは、アスリートは普通の人よりも早く体内に貯蔵されたビタミンDを使い切ってしまう傾向があるから。「ランニングやトレーニングによる継続的なストレスにより、骨の吸収と再構築、および筋肉の分解と再構築の代謝回転数が増えるため、それに対応した適切なビタミンDレベルの維持が必要になります」とマクドナルド博士は説明する。 さらに一部の疾患がある場合、ビタミンDの体内貯蔵を維持することが困難になる可能性がある。たとえば、炎症性腸疾患やセリアック病などの胃腸(GI)疾患の人は、食物から吸収できるビタミンDの量が制限される恐れがあります、とマクドナルド博士。下剤、ステロイド、コレステロール値を下げるスタチン、抗てんかん発作薬のフェノバルビタールといった薬剤も、ビタミンD値を低下させる恐れがあるという。
一番いいビタミンD源とは?
*米国立衛生研究所(NIH)による、1サービングあたりのビタミンD値 ・調理済みのサーモン約85g:14.2mcgまたは570IU ・強化ミルク1カップ(脂肪分2%):2.9mcgまたは120IU ・タラの肝油大さじ1:34mcgまたは1360IU ・強化朝食用シリアル1サービング:2mcgまたは80IU ・スクランブルエッグ、Lサイズの卵1個分:1.1mcgまたは44IU ・スライスしたマッシュルーム2分の1カップ:9.2mcgまたは366IU ・調理済みのマス約85g:16.2mcgまたは645IU