ビタミンD不足のサインとは? 健康への影響と摂取方法も
※この記事は、海外のサイト『ランナーズ・ワールド』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 筋肉や骨、神経、免疫系など、体の隅々で作用する栄養素のビタミンD。健康を維持するには、ビタミンDの摂取量に気を配ることが不可欠である。 科学誌『ニュートリエンツ』の研究レビューによると、とくに運動する人はビタミンDを適切に摂取することで疲労骨折や骨破壊のリスクを低下できるという。「ビタミンDのおもな機能は、骨の健康を維持するカルシウムとリンをサポートすることです」と説明するのは、「カイザー・パーマネンテ」の家庭医でスポーツ医学を専門とするアレックス・マクドナルド医学博士。 ビタミンDは、これ以外のプロセスでも重要な役割を果たしている。厳密には脂溶性ビタミンであるいっぽうで、ホルモンとしても作用し、「反応を起こすために脳に信号を送り、ほかのホルモンに影響を与えます」と、スポーツ選手や活動的な家族を専門にサポートする公認スポーツ栄養士のケリー・ジョーンズさんは説明する。実際米国立衛生研究所(NIH)によると、筋肉を動かしたり、脳と身体の間で神経がメッセージを伝達したり、免疫システムが体内に侵入した細菌やウイルスと闘うためにもビタミンDが必要だという。 しかし残念ながら、この「日光のビタミン」(日光に当たると生成されることからこう呼ばれる)を十分に摂取できていない人は多い。「屋外で過ごす時間が長い人は、太陽から必要なビタミンDを摂取できていると考えるかもしれません。しかし、屋外で運動する人たちに関する研究結果や定期的に血液検査を受けている屋外スポーツのアスリートを直接見てきましたが、依然として多くの人がビタミンD不足であり、臨床的な欠乏症の場合もあります」と話すジョーンズさん。 2020年に医学誌『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』に掲載されたレビューによると、アメリカでは成人のおよそ6%が重度のビタミンD欠乏症(1Lあたり30 nmol未満)、24%がビタミンD欠乏症(50 nmol/L未満)と報告されている。しかし、ビタミンDの研究者らは一般的に異なるしきい値(重度の欠乏症は50 nmol/L未満、欠乏症は75 nmol/L未満)を使用しており、とくにアスリートは健康や免疫力、筋肉機能の向上のために75~80 nmol/Lを目標にするよう推奨している。 ビタミンDが十分に摂取できているかを確認する唯一の方法は、医師の診察を受けて血液検査を受けること。とはいえ、ビタミンD欠乏症の症状に注意し、これから紹介する方法で必要量を満たすように心掛けてみてはいかが?