五輪=IOC会長候補の渡辺氏、マーケット戦略改善を提案
[ベルリン 11日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)の会長選に立候補している渡辺守成氏(65)は11日、スポンサーへの訴求力を高めるために、五輪のマーケティング戦略を全面的に見直す必要があると述べた。 国際体操連盟(FIG)会長を務める渡辺氏は、世界陸連のセバスチャン・コー会長らIOC会長選に名乗りを挙げた7候補の1人。今夏のパリ五輪後にトヨタ自動車、ブリヂストン、パナソニックホールディングスといった日本企業が最高位スポンサーの継続を見送ったことを受け、IOCの戦略を再考すべきとの見解を示した。 渡辺氏はロイターのインタビューで「多くの日本企業が五輪スポンサーを希望するのは、五輪が企業にとって大きな価値があるからだ。支援の気持ちもあるが、当然ながらそれに見合う価値を求める。現状ではバランスが良くない。多額の資金を投じているのに利益は得られていない。これが問題だ」と述べた。 IOCは五輪期間中、競技場に広告を出すことを認めていないが、渡辺氏は「私が会社の社長なら『サッカーをサポートしましょう。広告の露出があるのだから』と言うだろう」と指摘。「マーケティングシステムを変えなければいけない。『五輪のロゴを使っていいから2億か3億ください』という現在のやり方を続けることはできない」と改善の必要性を訴えた。 また、「多くの人がIOCの決定に関与したいと思っている。しかし、(IOCの)首脳陣の力が強すぎる。多くのことが理事会か会長によって決定されている。これはあまりいいことではない。IOCは国際連盟と各国のオリンピック委員会を尊重しなければならない」と語り、一部の人間に権限が集中している現状の意思決定プロセスにも課題があるとした。