人手不足の時代、「困った社員」にどう対応する?
就業態度は、勤務評定に反映させる
主治医 : 無断欠勤・遅刻は他の社員とのバランス上、勤務評定でしっかり対応することを条件に、「一つの就業スタイル」と理解してもらうのは難しいでしょうか。 産業医 : 無断欠勤などは、内規に従ってしっかり対応し、勤務評定をする。 主治医 : 営業成績がまずまずだからね。ルールを作って、多様な働き方を認めていくということでしょうか。 産業医は私の考えも含めて、部長や社長と話し合い、結論を得ました。社長は「営業成績がまん中だし、人手不足だから辞められるよりはいいだろう」という姿勢。勤務態度は人事評価に反映させて、それをどう受け止めるかは本人の判断という取り扱いにすることにしたそうです。
働き方のルールに工夫が必要
「規律を守らない困った社員」と言ってしまえば、それまでですが、人手不足に困っている会社も少なくないようですから、限られた人材に最大のパフォーマンスを上げてもらうために、どういう働き方をさせればいいのか。新型コロナの外出制限でテレワークなど新しい働き方が出てきました。これからますます、働き方のルールに工夫が必要なのかもしれない、と考えさせられた事例です。
夏目誠(なつめ・まこと)
精神科医、産業医、大阪樟蔭女子大学名誉教授。40年以上13企業の精神科医として従業員の診療や相談、啓発普及(講演1500回)、復職支援に関与しメンタルヘルスの向上に取り組んでいる。人事院・心の健康づくり指導委員会委員、日本産業ストレス学会元理事長。 著書に Amazon.co.jp:「35歳からのメンタルヘルスー事例でわかる働く人と家族のストレス対策」、「中高年に効く! メンタル防衛術」、「職場不適応サイン」など多数。 夏目誠の公式ホームページ (natsumemakoto.com) 精神科医マコマコちゃんねる - YouTube