「デリケートゾーンがニオう」原因と4つの予防法を医師がアドバイス
気になるけれど、人には相談しにくい「ニオイ」の悩み。今回は、デリケートゾーンのニオイをピックアップ。ニオイの正体について医師の桐村里紗先生にお聞きします。 【写真】デリケートゾーンのニオイケアにおすすめのアイテム4選 ●教えてくれたのは 医師・『tenrai』代表取締役 桐村里紗先生 腸内フローラなどを基本にした予防医学の専門医。生活習慣病から女性外来まで幅広く診療経験を積み、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)にはニオイ環境評論家・腸活評論家として出演。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか
1.デリケートゾーンのニオイについて
■デリケートゾーンのニオイの正体は“洗い残しやおりもの”によるもの 桐村先生:蒸れやすく雑菌が繁殖しやすい部位。清潔にしつつ、洗いすぎないことが大切です デリケートゾーンのニオイは、病気でない限り洗い残しが主な原因です。ただし、膣内は洗いすぎると常在菌が取り去られて雑菌が繁殖しやすくなってしまい、ニオイの原因になります。トイレのビデで中まで洗っている人は、洗いすぎに要注意です。外陰部を刺激の少ない専用のボディソープなどで丁寧に洗うことをおすすめします。 また、おりものもニオイの大きな要因のひとつ。健康なおりものは常在菌である「乳酸」が9割以上を占め、やや酸っぱいニオイがします。ところが免疫力が低下して、さまざまな雑菌、または性感染症であるクラミジアなどの感染症になってしまうと“腐った魚のような強い悪臭”などおりもののニオイが変化します。自身でおりもののニオイが変わったと感じたら、早めに婦人科を受診することをお勧めします。 デリケートゾーンは、食生活は直接的には関係ありません。ただし、暴飲暴食によって不健康な状態になることで免疫力が低下して膣内環境が悪化することもあります。清潔を保ちつつ、洗いすぎない、そして免疫力を低下させないよう食生活を整えつつ、ストレスや疲れを溜め込まないことが重要です。
2.デリケートゾーンがニオわないようにしたいこと
□1日1回はお風呂で汚れを洗い流す 桐村先生:デリケートゾーンにも皮脂腺や汗腺があり、特にワキガ体質の場合には「アポクリン腺」からの汗が「すそワキガ」(デリケートゾーンからワキガのニオイを発する症状)のニオイの原因になります。アンダーヘアがボサボサの状態であると、尿や分泌物が付着して常在菌が増えることに。刺激の少ないデリケートゾーン専用の洗浄剤で毎日優しく洗いましょう。 □蒸らさない 桐村先生:“ジメジメベタベタ”状態は、菌の大好物。そこで、蒸れにくい素材のショーツを選んだり、アンダーヘアを処理したり、またパンティライナーをつけて、それも蒸れる前にこまめに取り替えるようにしてほしいです。 □ストレスを溜めない 桐村先生:免疫力が落ちると、さまざまな感染症になりうる可能性が高まります。ストレスを溜めず、軽い運動や食事でリラックスすることが大事です。かゆみが出たり体調不良を感じたりしたときは、自分で解決しようとせず、専門医に相談してください。 □フェムテックコスメを活用する 桐村先生:デリケートゾーンのために考えられた専用コスメは、ぜひ使ってください。また、乾燥することでかゆみが出たりするので、お風呂上がりに外陰部にデリケートゾーン専用のオイルなどを塗っておくと乾燥を防げます。年齢とともに膣内の分泌液が減って乾燥しやすくなり、かゆみなどの原因になりますが、こちらは婦人科など専門医にご相談を。
取材・文/黒木由梨・小内衣子(PRIMADONNA)