“最強”井上尚弥の強みは何か 豪戦士グッドマンが“破壊的なパンチ”以上に警戒する「過小評価されている武器」とは
大一番に向けた緊張感が少しずつ高まっている。来る12月24日に東京・有明アリーナで、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)に挑むWBO同級1位のサム・グッドマン(豪州)が、試合に向けた心境を語った。 【動画】悪童ネリに逆襲の右ストレート!井上尚弥がドームを熱狂させた貫禄のTKOの瞬間 26歳の豪戦士にとって、井上戦はキャリア最大級の一戦だ。プロキャリア19戦無敗と順調にステップアップを続けてきたが、「モンスター」の異名を持つ相手は文字通り無敵のチャンピオン。下馬評でも圧倒的不利と言う声ばかりが目立つのが現状だ。 しかし、群雄割拠のボクシング界で研鑽を積んできた26歳は、井上戦を前にしても物怖じしていない。世界的な猛者に堂々と立ち向かう覚悟を新たにする。去る11月17日に豪スポーツ専門ポッドキャスト番組『Hello Sport』に出演したグッドマンは「みんなが俺に別の選択肢を考えろと言ってきた。けど、いつだって俺はこういう試合ができると思ってやってきたし、いろんな意見を無視してきた」と強調する。 無論、井上に対するリスペクトがないわけではない。 「イノウエは本当に素晴らしいファイターだし、そういう評価を受けている理由は明確にある。簡単な試合にはならないし、楽な相手なんかじゃない。これ以上にないくらいにタフな挑戦になる」 さらにグッドマンは「彼は本当に破壊的なパンチを持ってる。でも、何より警戒すべきは彼のボクシングIQだ。少し過小評価されている彼の武器だと思う。イノウエは本当に多くの強みがある」と井上を分析。一方で、「こういう試合の方が俺はワクワクする」というチャレンジャーは、こう続けている。 「俺はこうしてここにいる。世界を驚かせて、自分の偉大さを証明するチャンスを掴んでいるんだ。何回も言うけど彼は本当に凄いファイターだ。だから勝つために自分の全力を出さないといけない。今は自分を限界までハードに追い込んでいる。なんというか、暗い場所に入っていくような感覚で、自分の限界を押し広げているよ」 限界を突破して鍛錬を重ねるグッドマン。彼が井上に対して、これまで以上にアグレッシブな戦いを見せるか否かは大いに興味深いところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]