「鎌倉殿の13人」“親子”3人が三谷幸喜監督の新作映画で同窓会
瀬戸:エマちゃんはそうかもしれないけれど、僕が演じた小磯は時房と割と立ち位置が一緒だったから難しかった(笑)。
宮澤:確かに瀬戸くんはそうかも。総じて私と瀬戸くんは三谷さんの作品のなかでは飛び道具なんです(笑)。なので、どこか“どうにでもなれ!”と飛び込む気持ちではいます。とはいえ、過去の三谷作品における自分と同じでありたくないという思いもあるので、難しさはありますね。
彌十郎:僕は新参者なので。
宮澤:三谷さん、彌十郎さんのことが大、大好きですよね。私は三谷さんと彌十郎さんの「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」を拝見していたのですが、その作品だけでも本当に大好きな役者さんなんだなというのが伝わってきました。
彌十郎:僕はプレッシャーというよりは楽しいという気持ちばかりですね。何よりも監督が求めていることがすごく分かりやすくて楽しい。だから「なんだよー」ということが一つもなかったんです。
瀬戸:僕から見ていても楽しそうでした(笑)。
宮澤:すがすがしいまでに嫌な奴を、あんなにも気持ちよく演じてくださるのでさすがだなと。
彌十郎:小磯は僕の信者なのに、本を貸したら「読んだら返せ」ってね(笑)。
瀬戸:お金持ちなのに、本1冊くれないんだって(笑)。あのセリフも現場で生まれたものですよね。
彌十郎:脚本では「本を渡す」だけだったんですよね。その場で追加になった(笑)。
三谷幸喜は「照れ屋さんで甘え上手で口説き上手」
Q:それぞれにとって三谷幸喜さんとはどんな存在ですか? 瀬戸:すごく照れ屋さんで甘え上手で口説き上手。三谷さん自身がとても愛される方なんだと思います。僕は「23階の笑い」(2020)という舞台が初めてだったのですが、いまだに僕のどこを気に入ってくださっているのか分かっていない(笑)。ただ三谷さんとご一緒して、俳優としてメンタルが強くなったというか、何でもやれる気がするようになった気がします。もちろん不安もありますが、どんな役が来ても、やってみたいという気持ちが強く出るようになりました。いろいろな意味で強くしてくださったし、豊かにしてくれましたね。