海外レポート(2):異なる魅力を放つ、パリ国際大学都市にあるル・コルビュジエのスイスとブラジル学生会館
ル・コルビュジエ晩年の作品であること、ルシオ・コスタとの共作であることなどから、ル・コルビュジエらしさが際立つものの、より変化に富んだ設計になっているような気がした。 さて、ル・コルビュジエは、建物を設計する建築家として有名ではあるが、家具などのデザインも数多くしている。今回の学生会館でも、ジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンなどがデザインした家具が配されている。 なお、スイス学生会館については、建築年を1932年とする資料も多いが、現地の説明看板に1933年と記載されていたので、それを参考にしている。
パリ市内には日本人建築家による作品もある!
2回にわたりフランスの偉大な建築家ル・コルビュジエの建築物を紹介してきたが、実は、パリ市内には日本人が設計した建築物がたくさんある。黒川紀章氏による「パシフィック・タワー」、坂茂氏による「ラ・セーヌ・ミュージカル」、隈研吾氏による「アルベール・カーン美術館」、伊東豊雄氏による「コニャック・ジェイ病院」など、いくつも挙げることができる。日本人の建築家も高く評価されているのだ。
さて、パリオリンピックは開会式に始まり、男子バレーボールや柔道などを観戦してきた。パリの名所を競技会場にしていることもあり、グラン・パレのフェンシング、コンコルド広場のスケートボードなどは、パリの歴史や美しい街並みを堪能できる観戦でもあった。競技の大会は一時期のことだが、名建築は今後も私たちを楽しませてくれることだろう。 注)外国語の固有名詞を日本語にする際にはさまざまな表記があるが、多く使用されている表記を使っている。
山本 久美子
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