【インタビュー】ロッテ・寺地隆成 打てる捕手、準備中「見逃し三振をしたくない。追い込まれてもバットに当てれば、三振しない」
【ファームから熱き魂で挑む! 未来を拓くキラ星たち】 ロッテの一軍では「打てる捕手」として左打ちの佐藤都志也が活躍中だが、ファームにも「打てる左打ちの捕手」が台頭している。明徳義塾高から入団1年目のルーキーは早くもファームのレギュラーとなり、非凡な打撃センスを実戦で発揮しているところだ。 【選手データ】寺地隆成 プロフィール・通算成績・試合速報
ロッテのイースタン81試合中、65試合に出場。規定打席以上をキープしてリーグ6位の打率.282の成績を残し、最近はスタメン三番で起用されることが多いのが寺地隆成だ。高卒1年目の捕手と思えばかなり順調なルーキーイヤーを過ごしているように見える。ドラフト5位は、“掘り出し物”だったのかもしれない。 ──イースタン・リーグでの好成績は、ご本人としてはいかがですか。 寺地 バッティングについては、自分の中では予想以上に数字を残せているという感覚があります。しかし、不調になりやすいというか、好不調の波があるので、そういうところをもう少し何とかしたいと思いますね。打率をもっと上げていきたいと感じます。 ──高卒1年目の打者ならまずはファームでプロの試合に慣れながらレギュラーを目指していく、というところだと思うのですが、寺地選手の場合はそこはもうクリアしているのですね。 寺地 うーん、まあ、少しは慣れてきたということですね。ピッチャーもそうですけど、少しずつ見えるようになってきました。 ──まず、打撃のことからお聞きします。数字を見ると三振が少なく、四球が多い(四球÷三振の数値は0.89でイースタン規定打席以上の26人中3位)。選球眼が良い印象があります。 寺地 2ストライクになると思うのは、三振をしたくないんですよ。 ──それはみんなそうですよね。 寺地 三振をしても、何も起こらないじゃないですか。ボールにバットを当てれば、打球が強ければはねて内野安打になるかもしれないし、野手の間を抜けることもあるかもしれない。だから見逃さずにバットを振りたいんです。 ──しかし、そう思っていても選球眼やバットコントロールが良くないと空振りすることが多くなります。 寺地 ワンバウンドのボール以外は極力、バットに当てたいなと思っているんです。バットに当たれば最低限、ファウルになると思うので。そうやって粘っていれば、いつか甘い球が来るかもしれません。 ──選球眼の良さと言うよりも、追い込まれてもバットに当ててファウルにする技術があるということですか。 寺地 まあ、どちらかと言うとそうかもしれないですね。 ──明徳義塾高3年だった昨夏はU-18日本代表に選ばれました。そのころからその技術には自信があったのですか。 寺地 W杯では全試合で一番打者に起用され、オランダ戦の初回に見逃し三振して、その試合は0対1で負けたんですよ。日本代表の監督は自分の高校の監督(馬淵史郎)だったのですが、やはりチームの最初の打者が見逃し三振をしてはダメだと言われました。相手投手がすごいと味方に思わせるのか、それともこのチームの打線はすごいと相手に思わせるのか、見逃し三振をするのとしないのとではそのくらいの差があると。そこから「見逃し三振をしない」という意識が強まりましたね。 ──なるほど。今はイースタンで一番ではなく三番で起用されることが多いですが、そこはいかがですか。 寺地 三番では走者がいなければ自分のバッティングをしたらいいと思うのですが、走者がいれば自分の持ち味を出しつつ、走者を進めたりかえしたり、最低限の仕事をして結果を残せればいいですね。 ──今のところイースタンでの本塁打は1本ですが、長打への意識は。 寺地 いや、まずは打率を意識して、その延長線上に本塁打が付いてくればいいかなと思いますね。あまり本塁打というのは……。自分は非力なので(笑)。 ──非力なのですか? 寺地 はい(笑)。どちらかと言うと数字では本塁打の数よりも安打の数を増やしていきたいです。今年の成績で言えば、打率をもう少し高めていきたいです。 ──高校時代と違って、平日でも毎日昼間から試合をする環境は初めてだと思いますが、今のところ、夏バテや疲れを感じていないですか。 寺地 最初は、これが毎日続くのかと思いましたが、やっていくうちに慣れました。自分も付いていかないといけないので、そういうメンタルができてきました。