ニッサン・フォーミュラEがシミュレーター大手のDynismaと提携。競争力向上を狙い特注の新型システムを導入へ
11月27日、日産自動車はABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦するニッサン・フォーミュラEチームが、ドライビングシミュレーター技術の世界的リーダー企業であるDynisma(ダイニスマ)社と提携したことを発表した。 【写真】ニッサン・フォーミュラEチームファクトリーのシミュレータールーム レースの世界において、実際にサーキット上で走行できる時間は限りがあるため、最先端シミュレーターは非常に重要な役割を果たす。今回の提携により、ニッサン・フォーミュラEチームはイギリスに本拠を置くダイニスマ社のサポートを受け、ドライバーはレースに向けてより正確でリアルな準備を行い、エンジニアは大会前にセットアップや技術変更を最適化することが可能になる。 ニッサン・フォーミュラEによると、現在チームは12月7日にサンパウロで開幕を迎える2024/2025年フォーミュラE“シーズン11”に向けて準備を進めているが、さらにその先の“GEN4”時代に向けて競争力を高めるための準備も進めているという。 チームはシーズン12に向けてダイニスマ社の特注新型レーシングシミュレーターの供給を受ける計画を立てており、ダイニスマ社は車両とドライバーが最高のパフォーマンスを引き出せるように、最新の『Dynisma DMG-1』システムを提供するとのこと。 今回の提携にニッサン・フォーミュラEゼネラルマネージャー兼ニッサン・フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペは「シミュレーターは、どのフォーミュラEチームにとっても最も重要なツールのひとつであり、最高の技術を導入することが非常に重要だ」と述べた。 「各レースで実際にサーキットを走る時間は限られているため、ドライバーはそれぞれのレース開催地のサーキットに慣れるために数時間をシミュレーターで過ごす。ダイニスマ社はこの分野の世界的リーダーであり、彼らと提携は必然だった」 「私たちは2030年までフォーミュラE参戦を表明しており、競争力の強化に取り組んでいる。パリの新施設への移転はすでに大きなメリットをもたらしており、私たちの次のステップは、アップグレードされたシミュレーターを迎えることだ」 また、ダイニスマ社のアシュリー・ウォーンCEOは「当社の使命は、世界で最も没入感のあるシミュレーターを作成し、最も広いバンド幅と最も低いレイテンシーを提供することだ」とコメントを寄せている。 「ニッサン・フォーミュラEチームの公式シミュレーターパートナーになることを大変嬉しく思う。電動レーシングシリーズはEV技術の頂点であり、革新、精度、適応性が成功の鍵だ。この急速に進化するレースにおいて、勝利を目指すニッサン・フォーミュラEチームをサポートできることを楽しみにしているよ」 [オートスポーツweb 2024年11月27日]