【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第18ステージ】ヴィクトル・カンペナールツが家族に捧ぐツール初勝利 大人数の逃げから抜け出し3人の争いを制する「ガールフレンドこそが僕のストーリーの主人公だよ!」
2つ目の3級山岳コルもラスカノが1位通過。84.3km地点に設けられた中間スプリントポイントも逃げメンバーが上位を占めて、マイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)が1位通過している。
中間地点を過ぎる頃には、逃げとメイン集団のタイム差は約7分。大多数のチームが先頭グループにメンバーを送り込んでいることや、集団に対する十分なリードを考えれば、前にいる選手からステージ優勝者が出るのは決定的である。
それが関係してか、フィニッシュまで60kmを切って上り始めた4つ目の3級サン・アポリネールで駆け引きが本格化。アメリカチャンピオンジャージのショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)が仕掛けると、ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)やトビアス・ヨハンネセン(ウノエックスモビリティ)も応戦。ヨハンネセンが頂上を1位通過後、下りではアレクサンデル・アランブル(モビスター)やゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)が前をうかがう様子も見られた。
大きな局面は最終登坂ドモワゼル・コワフィで迎えた。ラスカノら数人が仕掛けたのに乗じて、クフィアトコフスキがカウンターアタック。そのままの勢いで頂上を通過すると、下りでカンペナールツとマッテオ・ヴェルシェ(トタルエネルジー)が合流。後ろではラスカノら5人の追走パックが組まれるが、協調した先頭3人はタイムギャップを広げる。さらに後方では約20人による第2追走グループが前を追ったが、先頭3人のチームメートが抑え役になったことでペースが上がらなかった。
おおよそ35kmに及んだ3人の逃げ。追走ライダーたちとの差を広げながら、ステージ優勝争いへと転化した。 「僕ら3人は協力し合って逃げ続けた。早い段階で逃げ切れると確信していたよ」(カンペナールツ)
残り1kmまで協調態勢を保った3選手。先に仕掛けたのはヴェルシェだった。カンペナールツとクフィアトコフスキが見合う間隙を縫ってアタックするが、クフィアトコフスキが引き戻す。そして勝負のスプリント。残り200mでカンペナールツが腰を上げると、ヴェルシェとクフィアトコフスキも合わせたが、スピードの差は明らか。カンペナールツが一番にフィニッシュラインへ飛び込んだ。 「スマートにレースができた。僕が勝つならスプリントしかないと思っていた。でも、クフィアトコフスキと一緒に逃げることになって、彼もスプリントに賭けていることを感じていた。ならば彼をうまく利用しながら、脚を残そうと考えたんだ」(カンペナールツ)
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