【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第18ステージ】ヴィクトル・カンペナールツが家族に捧ぐツール初勝利 大人数の逃げから抜け出し3人の争いを制する「ガールフレンドこそが僕のストーリーの主人公だよ!」
経験したことのない不安に襲われていたのだという。今年の春ごろは、トレーニングに集中できず、父親になる日が近づく中でロードレーサーとしてのキャリアに未来があるのかさえ考えた。それでも、「ツール・ド・フランスでのステージ優勝」という目標がいくつもの悩みよりも勝った。昨年12月には照準が定まっていた。“第18ステージで勝つ”ために、みずからを奮い立たせた。 【ハイライト】ツール・ド・フランス 第18ステージ|Cycle*2024
ツール・ド・フランス2024第18ステージは、最大37人の逃げが決まって、最終的に3選手によるステージ優勝争いに。最後はヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)がスプリントを制してステージ優勝。早くから目標に据えていたこのステージを、狙い通りモノにしてみせた。
「ツール・ド・フランスで勝つことを夢見てきた。誰もが勝ちたいと思うはずだけど、僕も同じだった。僕でも勝てそうなステージは今日だけで、目標にすることはチームとも共有していたんだ」(ヴィクトル・カンペナールツ)
前日と同様に、逃げ向きと目された1日。翌日からのアルプス最終決戦を前に、ステージ優勝を狙うアタッカーには実質最後のチャンスでもあった。
179.5kmのルートには3級山岳が5つ組み込まれ、丘陵コースにカテゴライズ。中盤に越えるマンス峠は、2003年大会でホセバ・ベロキが下りで衝撃的な落車に見舞われたポイントだ。最後のカテゴリー山岳はフィニッシュ前約40kmで、そこからは緩やかに上りつつバルスロネットのフィニッシュラインへと向かう。
ツールではおなじみのギャップの街を出発したプロトンは、前日同様にリアルスタートと同時にアタックがかかった。マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)らの動きが目立ったほか、ヤスペル・フィリプセン(リドル・トレック)は一時30秒ほど先行した。
ストゥイヴェンは20km地点を前に集団へと戻っているが、なおもアタックとキャッチで慌ただしい中から20人ほどが抜け出して前方へ。5kmほど進むうちに30人を超える選手たちが最前線に位置して、この流れから1つ目の3級山岳フェストルをオイエル・ラスカノ(モビスター)が1位通過。直後に逃げのメンバーがおおむね固まって、37人がレースをリードすることになった。
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