全員が顔を隠して踊る「日本三大盆踊り」とは?秋田県南部が仙台で観光PR
顔を隠して踊る、秋田県羽後町の「西馬音内盆踊り」
秋田県南部の湯沢市を始めとする4市町村の観光PRイベントが今月、宮城県仙台市で開かれた。秋田県南部といえば、日本有数の豪雪地帯で、秋田新幹線も山形新幹線も通らない「新幹線空白地帯」。秋田の観光名所としても秋田市の竿燈や角館の武家屋敷、男鹿のなまはげなど、県内中部から北部の方が有名だが、イベントの実行委員長・佐藤浩司さん(62)は「文化や伝統の豊かな県南部ならではの、ゆったりとした旅をぜひ体験してほしい」と魅力を訴える。
「新幹線空白地帯」で「豪雪地帯」
PRイベント「湯沢雄勝広域観光キャンペーン」は、2日から4日まで仙台市青葉区の勾当台公園で開かれた。参加したのは秋田県南部の湯沢市、横手市、羽後町、東成瀬村の4自治体で、今回で18回目。仙台で開催した理由について、実行委員長の佐藤さんは、「湯沢市を中心とする秋田県南部から最も近い大都市が仙台。秋田市から余り人は来ない」と話す。 近いと言っても、仙台から湯沢まで直通の高速道路はなく、途中奥羽山脈を越えて車で約3時間。東京からはもっと時間がかかり、新幹線を使って約4時間半。1992年にミニ新幹線山形新幹線「つばさ」が開業してから、湯沢市など県南部の自治体は「あと少し伸ばすだけ」と新幹線延伸運動をするも、1999年の新庄までの延伸で止まったままだ。1997年に開業した秋田新幹線「こまち」は、県内中部を通り秋田駅へ至り、やはり秋田県南部は通らなかった。秋田県南部は「新幹線空白地帯」なのだ。 湯沢市、横手市といった秋田県南部は、日本有数の豪雪地帯としても知られる。湯沢市のひと冬の平均降雪量は754センチ、横手市は814センチ。県内で最も雪が降るのが、湯沢市南東部の秋の宮というところで、平均960センチ。ちなみに湯沢市秋の宮は、菅義偉官房長官の出身地だ。交通の便があまり良くない秋田県南部だが、冬の間雪に閉ざされている影響か、古くからの伝統的な祭りや食べ物が多く残され、全国的に有名になったものもある。