四日市市でふるさと納税返礼品に「松阪牛」 三重・松阪市、総務省に改善要望
松阪肉をはじめとした特産品のブランディングを推進する松阪市地域ブランド課はこのほど、松阪牛協議会(会長=竹上真人市長、9市町)で定めた生産区域外の四日市市が「松阪牛」をふるさと納税の返礼品にしていることを確認し、総務省に改善を求める要望書を提出した。返礼品は、子牛が四日市産で「区域内で生産された物品」などと定めるふるさと納税の地場産品基準を満たしていると解釈できることから「厳格化」を求めた。
「基準厳格化を」 松阪ブランドを守りたい
特産品について、ブランド力の維持や他自治体への納税状況を把握するため同課が、随時進めているネット上の巡回作業で昨年末に確認した。 ふるさと納税関係条文では、返礼品について「当該都道府県等の区域内において生産された物品または提供される役務その他これらに類するもの」などと定義。四日市市の「松阪牛」は、四日市市の出品者が「四日市で子牛を生産し育て松阪牛の生産地域で肥育」した牛をうたっていた。 一方、松阪牛協議会では松阪牛について、個体識別管理システムに登録された黒毛和種、未経産の雌牛で、協議会の9市町内での肥育期間が「最長・最終」であるとの定義も設けている。これに基づき商標登録も取得している。 市では昨年12月に四日市市に返礼品の取り下げを求めたが、応じられなかったことから、同協議会の津市を除く8市町の首長連名で、4月までに総務省と四日市市に要望書を提出。総務省には地場産品基準の厳格化を、四日市市には改めて返礼品からの見直しを求めた。 市地域ブランド課ではふるさと納税の地場産品基準について、商標登録や食品衛生法にも沿った形で厳格化することを総務省に要望。「松阪牛に携わる生産者の努力で築き上げてきたプライドや誇りを傷つけてほしくない」と四日市市に訴え、総務省には「ブランドを守っていくためにも地場産品基準を改めてもらいたい」と対応を求めた。