人気の廃校カフェが突然、“違法状態”へ…休業を惜しむ声 三重・津市
「令和3年度廃校施設等活用状況実態調査」によると、少子化などの影響で毎年、平均約450校が廃校となっている日本。全国各地では地域のにぎわい創出を目的とした、廃校の“再利用”が各地で進んでいます。しかし、なかには“思いもよらないトラブル”から休業となってしまったカフェもありました。 【動画】人気廃校カフェが突然休業に…
モデルケースから一転、“違法状態”の対象へ
三重県津市の山あいに建つ『旧辰水小学校』。7年前に廃校になったこの学校でも、給食の元調理員らが月に1度、モーニングが自慢のカフェ『たつの和カフェさくら』を営業していました。
「恒例行事になっていた。(営業の)前の週ぐらいになるとそわそわしていた」、「味ご飯うまかったな」など地元の人々が笑顔で思い出を語るカフェ。毎回約100人が足を運び、行列ができる日もあるほど人気を集めていました。 しかし今年3月、突然、『たつの和カフェさくら』は休業することに。カフェの元運営メンバーは、「どうしようもない事情で(営業を)やめざるを得なくなったのは心残りというか…」と話します。なぜ、『たつの和カフェさくら』は休業することになったのでしょうか?
「辰水元気づくり協議会」の増井啓子副会長は、「4月1日からはもう違法状態になっちゃうので使えませんということで」と明かす。休業の理由は、去年、市から校舎の利用が“違法状態”だと指摘されたこと。防火設備に不備が判明したというのです。
「本当に青天の霹靂みたいな感じで。それまでは(市から)もっと活用してほしいと言われていて、モデルケースにしたいと言ってもらっていたんですけど」と増井さんは当時を振り返ります。
7年間校舎が使われてきた理由とは?
三重県津市によると、消防法・建築基準法で、カフェやイベントに使用する建物には、避難誘導灯などの設置が義務づけられています。しかし、学校は設置義務が免除(地階などを除く)されており、『旧辰水小学校』にも一部しか設置されておらず、廃校後も改修工事をしていませんでした。 それでも、7年間校舎が使われてきた理由とは。