舌鋒の鋭さ健在、「たばこはやめたよ」…阪神「オーナー付顧問」に就任した岡田彰布前監督
今季限りで阪神の監督を退任した岡田彰布氏(66)が6日、約3週間ぶりに報道陣に対応し、近況や今後について語った。今シーズン終盤から体調不良が心配されていたが、回復した姿を見せるとともに、舌鋒(ぜっぽう)の鋭さは変わらず健在。今後は、新ポストの「オーナー付顧問」として、相談役的な立場で、助言や支援を行うという。愛煙家として有名だったが、今は禁煙をして気力も充実。来季の公式戦だけでなく、キャンプも精力的にチェックしていく方針だ。 ■最大級の功績に名誉職 大阪市内で報道陣の取材に応じた岡田顧問は「(監督を)2年やってユニホームは脱ぐけど、また違う方向、違う立場でアドバイスとか手助けをすることになる」と説明した。 編成には直接かかわらないが、粟井一夫球団社長によると、「最大級の功績をたたえての名誉職。基本的に野球全般、タイガースのことについて、支援や助言していただく」とし、スカウトへのアドバイザー役としても期待。独特の舌鋒の鋭さも「厳しい解説、評論は顧問の持ち味。それで選手も発奮してくれたら」と歓迎した。 岡田顧問は今後の仕事内容について、選手への直接指導は「しない、しない。指導料、もろうてへんもん。(アドバイスなどの)〝口(くち)代〟は、もろてるけど」と笑わせたが、グラウンド内外にわたり制限はあまりなく、野球解説も行っていくという。 来季の公式戦はホーム、ビジターに関係なく視察するほか、あいさつも兼ねた他球団への訪問にも意欲を見せ、秋季キャンプ、来年2月の春季キャンプにも、積極的に足を運ぶ予定だ。 ■秋の紅白戦は「意味ない」 公の場で報道陣に対応したのは、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで敗退した10月13日の試合後が最後だっただけに、岡田節も久々に炸裂(さくれつ)した。 チームや藤川新監督の動きも新聞各紙でチェックしていて、「練習の中では一喜一憂する必要はない。今から考えとったら、体がもつかいな」と思いやる一方、ファンのためにと実施した秋季キャンプ3日目での紅白戦については、「秋に紅白戦なんか、俺は全然意味ないと思うけどな。ここで結果が出たから、開幕に使ってくれるかというたら、そんなん忘れてる」と言い切った。 ただ、これは批判ではない。「この時期は体ができているから練習はできる。(今は)個々のワンランク、ツーランクとレベルを上げる。やっぱり継続、積み重ね。それができる選手は来年2月に勝ち残るんちゃう。いいところをもう一つ伸ばす。そういう時期やから」と説き、「実戦ではコーチは見てるだけ。コーチを楽させたらアカン」と、変わらず厳しい姿勢を貫いた。