徳田氏辞職の「衆院鹿児島2区」補選のポイント /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語
2014年4月15日、親族の公職選挙法違反容疑を受けて辞職した衆議院鹿児島2区の徳田毅前議員の後継を決める補欠選挙が告示(選挙スタート)されます。投開票は27日。衆参両院の補欠選挙は、死亡や辞職などで議席に空白を生じた際に、それを埋めるため行われます。12年総選挙における毅前議員の所属は自民党。その選挙で自民党は294と過半数を大きく上回る61%以上の議席を獲得したので補選で野党候補が勝っても国会の大勢に影響はありません。 ではどうでもいいかというと……これが大違いなのです。「たった1議席」でも国会議員を選ぶのでテーマは国の政策となります。となると全国480議席を一斉に決める総選挙より「たった1議席」ゆえに日本中の注目が集まるのです。各党もトップを選挙区に送り込むなどヒートアップするのが通例。結果として政権を揺るがす事態へと発展したケースも過去にありました。
■補選のポイント
立候補を表明している主な候補は、打越明司前衆院議員(無所属 民主党、日本維新の会、結いの党、生活の党推薦)、金子万寿夫元鹿児島県議会議長・県議(自民党公認、公明推薦)、三島照共産党奄美地区副委員長(共産党公認)<50音順>です。では補選の見どころをみてみましょう。
(1)議席死守か奪還か
補選の場合、基本的に前の議員が所属した政党の公認・推薦候補が勝たないと「負け」です。毅前議員は自民党所属でしたから、金子候補に是が非でも勝ってもらわなければなりません。 補選が行われる理由が前議員の死去や病気などによる任期中の引退、自治体首長選挙出馬に伴う辞職などであれば比較的たやすく「死守」できます。死去の場合は「弔い合戦」の旗も振れますし。ところが今回の鹿児島補選は「政治とカネ」にまつわる不祥事に起因しています。ゆえに金子候補が勝って「みそぎを終えた」とするか、打越候補が勝って「国民は自民党議員の不祥事を許していない」と満天下に叫ぶかの戦いです。