“物”の気持ちわかる難役も自然に 小芝風花のストロングポイント
ここ数年、女優として上昇気流に乗る小芝風花が、23日からスタートした主演ドラマ「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」(テレビ朝日系、土曜・23時)で富田靖子、田辺誠一、工藤阿須加、橋爪功ら演技巧者がそろう出演陣の中で確かな存在感を放っている。同作は感情を持たない「物」の声が聞こえ気持ちを感じてしまう特殊な感覚を持つ清水萌子美(小芝)が主人公。難役だが、小芝が積み重ねてきたキャリアが本格的に開花しそうだ。
コメディーからシリアスまで演じきる実力
小芝は2014年公開「魔女の宅急便」で映画デビューと初主演を同時に飾り、当時17歳でブルーリボン賞新人賞を受賞するなど早くから高い評価を受けている。その後もNHK連続テレビ小説「あさが来た」でヒロイン・あさ(波瑠)の娘・千代役を演じるなど出演機会に恵まれ続けてきたが、SNSなどで名前を目にする機会が著しく増えてきたのは2019年1月放送のドラマ「トクサツガガガ」(NHK)あたりからだろう。同作では特撮オタクのOL役を好演し、話題を呼んだ。 その年に筆者が小芝を取材したときには、前年に公開されたウォルト・ディズニー・スタジオ製作の実写映画「くるみ割り人形と秘密の王国」で日本語吹替版に声優として参加したことが役者として大きな弾みになったと話していた。声優初挑戦でディズニープリンセスという幸運をつかんだが、「アニメではなく実写ということで役者さんのお芝居、セリフの言い方やブレスを意識しなければいけなかったので、難しくて何度もやらせていただきました。いつもは自分の中にあるものでお芝居をつくるのですが、『こういうお芝居、間の取り方があるんだ』って、すごく勉強になりました」と振り返っていた。 「小芝さんはその後も間宮祥太朗さん主演の『べしゃり暮らし』でのお笑い芸人役や中村倫也さん主演『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)でのヒロイン・苺役、民放連ドラ初主演の『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)では妖怪たちと共同生活する役など、多彩な作品に出演を続けてコメディエンヌからシリアスまでこなせる幅の広さを培ってきました」(テレビ情報メディア・30代女性編集者)