「入居人が亡くなれば、さらに億単位のカネが入ってくる…」人気絶頂のシニアマンションの「ヤバすぎる裏側」
西麻布に、幕張に、湘南藤沢に―日本の都市部に次々と建てられる高級シニアマンション。誰が住むのか。デベロッパーにはどんな旨みがあるのか。「天国に最も近いマンション」の裏側に迫る。 【マンガ】「憧れのタワマン生活」が一転…!残酷すぎる「格差の現実」 前編記事『「入居に1億円」は当たりまえ…!5億の部屋も売れてしまう「 超高級シニアマンション」のヤバすぎる現実』より続く。
人生最後のマウントバトル!?
・現役時代に郊外に大きな家を建てたものの、歳を重ねるにつれて生活に不便を感じるようになった。大きすぎる部屋の掃除も億劫だ ・子供たちは海外で仕事をしており、日本に戻ってくる見込みもない ・相続の手続きも済ませたが、子供や孫に介護の面倒を掛けたくない 医師や弁護士、経営者、それに大企業の元幹部ら富裕層特有のニーズに応えるため続々と建てられる高級シニアマンション。なかにはこんな人もいるという。大手不動産会社の中堅社員が語る。 「現役時代に『どんな役職か』『どんな場所に住んでいるか』で仕事仲間とマウンティング合戦をしていた人が、『退職後、自分が誇れるものがなくなった』と言って超高級マンションを探すケースもありました。 近隣住民や昔の仲間に高級マンションに引っ越すことを自慢するというよりは、同じような境遇や考えで引っ越した人たちと『人生最後のマウントバトル』がしたいんだとか。一時入居金の額を競い合ったり、シニアマンション内のラウンジで昔の仕事の自慢話を披露し合ったり……そういう張り合いが人生に必要なんでしょうね」 一方でこの中堅社員は、高級シニアマンションの開発が相次ぐのはデベロッパー側の事情もある、と明かす。 「『狭い土地に高い建物を建てて、多くの人を住ませられる』という点で、デベロッパーにとってはタワマンが最も効率よく利益を出せる商品でした。ゆえに各都市部でタワマン開発競争が行われてきましたが、開発競争が進みすぎて、駅近や都心部にはタワマンを建てられる土地がほとんどなくなってしまった。居住者にとってタワマンの最大の魅力は、駅が近くて職場・都心に出るのに便利なことだったのですが、利便性の良い場所にタワマンを建てることが難しくなったのです」