「入居人が亡くなれば、さらに億単位のカネが入ってくる…」人気絶頂のシニアマンションの「ヤバすぎる裏側」
治安が悪化するほど
超高級シニアマンション市場には、もうひとつの追い風が吹いている。日本の治安の悪化だ。 冒頭で取材に応じてくれた女性は、世田谷の一戸建てから西麻布の堅牢なマンションに引っ越した理由のひとつに「治安の悪化」を挙げていた。以前住んでいた地域では高齢化が進み空き家が増えてきたこともあり、連日報道される強盗殺人事件に、「万が一自分の家が狙われたら怖いな……」と思うようになったという。 前出の大手不動産会社の中堅社員が苦笑交じりにこんな話を明かす。 「シニアマンションに移りたい理由のひとつに『安心安全だから』を挙げる方は増えていますね。ある社員は冗談交じりで『ワイドショーで強盗のニュースが流れた後に、安心安全を謳う高級シニアマンションのCMをガンガン流せば入居希望者が増えるんじゃないか』と言っていました。倫理的に問題があるので、実際にはできないでしょうが」 強盗から身を守るため、カネ持ち老人が堅牢なマンションに次々と移り住む―超高級シニアマンションの急増は、日本社会全体の治安悪化の写し鏡なのかもしれない。 「週刊現代」2024年12月21日号より
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