ランボルギーニ、2030年までに新型EV「ランザドール」発売へ! 電動化に迷いなし
第4のモデルラインとして新規開拓
ランボルギーニは、同社初のEVの発売を遅らせる予定はないが、ハイブリッドモデル3車種の販売は可能な限り継続する方針だ。 【写真】1300馬力超のランボルギーニ初EV! 2030年までに市販化へ【ランザドール・コンセプトを写真で見る】 (22枚) AUTOCARのインタビューに応じたランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOは、以前に発表した電動化戦略は「正しいもの」であると自信を持って語った。EVの発売に関しては、「重要なのは革新ではなく、適切なタイミングで発売することだ」とした。 「戦略の第一歩として、すべてのラインナップを新型車およびハイブリッド車にすることを決定したが、これは当社にとって多大な努力を要するものだった。過去4年間、我々はこれに非常に力を入れて取り組んできたが、今ではこれが正しい決断であったことが分かっている。したがって、電動化への段階的なアプローチに重点を置くことは正しい決断だったと考えている」 最近、アストン マーティンやベントレーなどの高級車メーカーは、需要の鈍化を理由に新型EVのデビューを延期している。 ロータスは完全EV化計画を撤回し、レンジエクステンダー・ハイブリッドの新シリーズを発売する予定である。また、ポルシェは現行の内燃エンジン車の販売期間延長を検討している。 ランボルギーニのヴィンケルマンCEOは、同社初のEV(昨年公開のコンセプト「ランザドール」から発展)は、現行車の代替ではなく全く新しいモデルであるため、販売台数に影響を与えるリスクは少なく、むしろ台数を伸ばす可能性もあると述べた。 「EVの導入を早めるか遅らせるかを決めるには十分な時間がある。現時点では、何も遅らせるつもりはない。2030年までに最初のEVを発売したいと申し上げたが、これは引き続き推進していく。なぜなら、追加のモデル、つまり4番目のモデルとなるからだ」 「追加モデルであり、新しいボディスタイルを持つ、全体的に新しいタイプのクルマだ。ランボルギーニに新しい顧客を引き寄せることにもなるだろう」 そのため、同社は2030年までにランザドールの量産モデルを発売するという計画を堅持している。 しかし、ヴィンケルマンCEOは、EVの普及曲線は「予想ほど急ではない」ことを認めた。これはランボルギーニが事業を展開するスーパースポーツカーのセグメントでは「なおさら」当てはまることであり、「できる限りハイブリッドにこだわる戦略は本当に正しい」という。 ウラカンの後継モデルであるテメラリオに新しいV8ハイブリッドを搭載して発売したことで、ランボルギーニの既存の3車種はすべてハイブリッド化された。そしてヴィンケルマンCEOは、たとえ将来的に合成燃料がクリーンな動力源として実用化されたとしても、完全電動化の方針を撤回することはないと述べた。 「バッテリー技術が当社のクルマから消えることはないだろう。結局のところ、バッテリー技術は性能を向上させるものであり、性能を妨げるものではないからだ。そして、バッテリー技術は進化する。我々がハイブリッドに留まっても、バッテリー技術がクルマの性能をさらに向上させるだろう」 電動化による性能面の利点は、現行車の売れ行きを見ても明らかだ。V12エンジンを使用したPHEVのレヴエルトは「2026年いっぱい」まで生産枠が完売しており、またPHEVのウルスSEも2025年末まで予約が埋まっているという。 現時点ではまだウラカンの生産が続いていることから、ヴィンケルマンCEOはテメラリオの受注台数について多くを語ろうとしなかったが、「大きな関心が寄せられており、すでに多くのオーダーをいただいている」と述べた。 テメラリオに搭載される4.0L V8エンジンは先代モデルより2気筒少ないものの、V6エンジン搭載のライバル車であるフェラーリ296 GTB、マクラーレン・アルトゥーラ、マセラティMC20よりも排気量が大きい。ヴィンケルマンCEOは、そのサイズの優位性と1万rpmのレッドラインというサウンドの利点が、同車の大きなセールスポイントになるだろうと示唆した。 「ランボルギーニを購入するということは、通常、子供の頃からの夢を叶えることにつながるため、非常に感情的な決断となる。我々が常にやらなければならないのは、顧客の要望に応えることと、一方で会社にとって持続可能なビジネスケースを持つこととのバランス取りだ」 「1年だけというわけにはいかない。10年以上継続しなければならない。外の世界が提供するものと、当社の顧客の要望との "しきい値" をうまくまとめるだけの賢さを、エンジニアが持っていることが非常に重要だ」
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)