ニールソン・パウレスが会心のロングスプリント 5人の争いを制して2度目の優勝【Cycle*2024 宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース:レビュー】
2周目に入って先頭はパスクアロン、Sイェーツ、シュタインハウザー、山本に絞られ、その45秒ほど後ろでリドル・トレックが引っ張るメイン集団。しばしこの構図が続いたのち、4周目の古賀志林道でトムス・スクインシュ(リドル・トレック)らがアタック。これで先頭が完全にシャッフルすると、タイミングよく前に上がってきたアントニー・ペレス(コフィディス)がひとり逃げとなって、レースをリードした。 ペレスは6周目に設定された、この日2回目の山岳賞を1位通過。集団では依然アタックが散発して、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)の動きに小石祐馬(JCL TEAM UKYO)や津田悠義(日本ナショナルチーム)といった日本勢が追随。上りのたびに激しい打ち合いとなる集団は、自然と人数が絞り込まれていく。これが現チームでは最後のレースとなる新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)らも、中間地点を過ぎるまでに後方へと下がっていった。
数人が抜け出しては集団がキャッチする流れが続いた中盤。UCIワールドチーム勢が代わる代わる前に出てコントロールする状況から、15人ほどが抜け出して残り5周へ。留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)や石上優大(愛三工業レーシングチーム)も加わって先を急ぐが、イスラエル・プレミアテックが集団を率いて猛追。追いついたタイミングでエースのマイケル・ウッズみずからアタックして、さらに人数を絞り込んだ。 大きな局面は残り4周(11周目)でのこと。それまでチームメートにレース構築をゆだねてきたパウレスがついにアタック。すかさずウッズが反応し、2人で頂上を通過。直後の下りでモホリッチ、さらにはイラン・ファンウィルデルとマウリ・ファンセヴェナントのスーダル・クイックステップ勢も合流。地脚のある5選手はすぐに協調態勢に入り、みるみるうちに後続とのタイム差を広げた。
12周目、13周目とハイペースを刻み続けた先頭5人は、その形勢のまま最終周回の鐘を聞く。最後の古賀志林道で早くも牽制が始まって、パウレスやウッズが仕掛けるとモホリッチとファンウィルデルが後退。食らいついたファンセヴェナントはチームメートのファンウィルデルを待ち、先頭交代には応じず付き位置をキープ。得意の下りで先頭復帰したモホリッチに続き、ファンウィルデルも残り3kmを目前に再合流。追いついた勢いのままアタックすると、これに乗じたウッズもライバルを振り切ろうと試みる。一瞬反応が遅れたモホリッチとパウレスだったが、何とか踏みとどまって、最終局面へとつなげた。
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