夏にお薦めする「農の博物館」 果実、農機、牛…食べ比べも
今年も、もうすぐ8月のお盆が始まる。猛暑の中、外で長時間過ごすのは避けたいが、せっかくの盆を家の中で過ごすだけではもったいない。そんなときにお薦めなのが、屋内で楽しめる博物館。旅先で訪れたい、帰省した子や孫を連れていきたい──。全国各地に点在する、「農」に特化した一推しの博物館を紹介する。 【地図で見る】農業に特化した主な博物館
梨の博物館 直径20mの巨木
鳥取二十世紀梨記念館(鳥取県倉吉市)は、国内唯一の梨の博物館だ。梨産地・鳥取をPRするため、2001年にオープンした。 記念館のシンボルは、かつて4000個の実をつけた国内最大級の梨の巨木だ。品種は県主力の「二十世紀」。倉吉市の農家が所有していた樹齢74年の木を掘り起こし、樹脂でコーティングして展示している。直径20メートルの範囲に枝が広がる姿は圧巻で、一推しの撮影スポットだ。 一番人気は、年間を通じて常時3品種の梨の食べ比べができる試食コーナー。佐藤哲也館長は「しゃりっとした食感、風味、甘さなど、品種ごとの違いを感じてほしい」と話す。 他に、国内外70品種の梨の実の模型を並べた展示や、県内の梨の栽培や歴史を学べるコーナーも見どころだ。 果樹ではミカンやリンゴ、サクランボがテーマの博物館もある。果樹を扱う博物館は、建物が果実の形をしていることも多い。鳥取二十世紀梨記念館やいいづなアップルミュージアム(長野県飯綱町)、柿博物館(奈良県五條市)、日本マンダリンセンター(鹿児島県長島町)などは外観も見どころだ。
但馬牛博物館 牛舎で触れ合い
但馬牛博物館(兵庫県新温泉町)は、和牛の原点とされる県特産の「但馬牛」に特化した博物館だ。但馬牛の巨大模型に映像を映し出すプロジェクションマッピングなどで、但馬牛の特徴や歴史を楽しく学べる。 牛舎で実際に触れ合えるのも魅力。6~10月は、隣接するスキー場のゲレンデに放牧する但馬牛をリフトで上空から眺められる。 牛に特化した博物館は、同博物館と奥州市牛の博物館(岩手県奥州市)の二つだけ。酪農では、乳業メーカーなどが運営する博物館が各地にある。