子どもがトラブルに巻き込まれた時、「モンペ」にならない先生への伝え方は?学童・保育園側に聞いた鉄則とホンネを直撃!
「ゴールの共有」を目指し、最低限の思いやりをもって
「具体的にどんな風に伝えてもらうのがいいかというと、物事によっては違いますが、基本的にはまず、うちの子がこのようにいっています、と親御さんが聞いたり見たりしたことをベースにお話しください。 そしてご自身が園や学童に希望することを『こうしていただけたらありがたい』とか、『こうしていただけたら、助かります』という感じでいっていただくと、スムーズかと思います。さらにその後に、『心配なんです』『不安なんです』と付け加えていただけると、保護者の方が、文句をいいたいわけではない印象になりますし、こちら側も『心配なのね、なんとかしてあげたい』という気持ちにさらになります。 緊急事態は別ですが、欲をいうと、最初に『こちらもたくさん子どもがいて本当に大変だと思いますが』などこちらの状況を思いやっていただける発言があると、私など『状況をわかってくださっているのね。ありがたい』という感謝の気持ちがわいた状態で、お話が聞けます。先生やスタッフも人間ですから、やはり感情的に文句をいわれたり、ののしられたりすればつらいですし、そういうことの積み重ねで心療内科に通うことになるスタッフもいます。 もちろん、親御さんがたとえモンスターペアレントでも、お子さんへの対応は変えてはいけないし、変わらないと思います。ただスタッフも人間なので、あまりにも保護者の方が感情的にののしったりすることが多かったら、やはりその保護者の方を見る目は変わらないとは言えません。もし無意識に子どもさん同士のけんかなどの時にその子の味方をしてもらえないことなどにつながったりするといけないので、やはり乱暴な物言いはしないにこしたことはない気がします。 捨て台詞も、案外、言われたほうは刺さるので、言わないことをおすすめします。
何かあったら親が動く姿勢が、子どもに安心感を与える
「前述の繰り返しになりますが、とにかく、ちょっとでも不安だったり、心配事があればすぐに相談してください。保育園や学童は、保護者の方がお子さんを預けて安心してお仕事にいかれるようにするためにあります。不安や問題は、なるべく早く解消して、安心して働いていただきたいと我々は考えています。 また、子どもが親御さんたちに、たとえばいじめられたとか、なぐられたなどを話した時に、親御さんの段階で我々に遠慮して話をとめないほうがいいです。それはどんな小さなことでも、子どもが訴えたことで、親がきちんと動いてくれたことを、子どもは見ているし、覚えています。 もしいじめられていたとして、保育園や学童に遠慮して親が行動を起こさなかった場合、子どもはとても傷つき、あの時、お父さんお母さんが自分を守ってくれなかったという思いを抱き続けることになり、禍根を残します。子どもを守るためにも、心配ごとは遠慮せずに、早めにご相談ください。 保育園は、さまざまな知識を勉強し、資格を持った保育士がいます。いっぽう学童クラブの見守りスタッフは資格がない方も多いですが、40人以下の児童を預かる場所では、放課後児童支援員という資格保持者を最低一人はおかなくてはいけない決まりがあります。その資格をとる段階で、子どもの人権や虐待防止や保護者対応など、様々なことを学びますし、近年は市町村や都道府県から、いろいろな研修を受けることを推奨され、見守りスタッフたちも日々グレードアップしています。 それでも、先生やスタッフに話しても状況が進まなかったり、対応に不満がある場合は、経営者に直接いってくださってかまいません。またどこの園や学童クラブも、『苦情・相談ダイヤル』のようなものがあると思うので、そこに相談するのも手です。 モンペに思われたらどうしようなど怖がらずに、ぜひ早めに相談にきてくださいね」