「私、妊娠したの」嬉しい誤算で、妻が第三子を妊娠。もしかして「托卵」?「普通の夫」が見た地獄
昨今、「托卵」をテーマにしたテレビドラマが大きな話題となり、人気を博している。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏が言う。 この記事の他の画像を見る 「出会い系アプリやチャットアプリの発達で、潜在的にあった一般人の不倫願望が、より叶えやすい形となっているのが現代です。 スマホ一台あれば、誰もが秘密を持てる時代。不倫への入り口は、かつてないほど広く入りやすくなっているのです。しかし、アプリを使わずとも、身近な男性と親しくなり妊娠し、夫の子として出産する女性がいるのも事実です」 今回は、「托卵」ドラマが話題となっている中、同じような経験をした男性に取材ができる機会を得られた。 石野裕二(仮名)は、学生時代の友人であるトオルから「飲みに行かないか」と連絡を受け、会社帰りに久しぶりに会うことになった。 都内にある私大のアウトドアサークルで4年間を共に過ごした仲間ではあるが、卒業後はたまの同窓会で顔を合わせる程度の付き合いになっていた。 お互いに今年で30になる。 トオルは、卒業後は金融系の会社に入社したと聞いている。大手ではないものの、そこそこ安定した収入を確保しているはずだ。おそらく年収600万円ほどといったところか。 人材紹介サービス会社に勤める自分に突然会いたいと連絡してきたのは、現在の仕事に行き詰まる何かがあり、転職先を紹介して欲しいという相談だろうか。 約束の場所に現れたトオルは、裕二の想像を超える変わりっぷりだった。疲れ切った顔をしており、げっそりとやつれていたのだ。 形ばかりの乾杯を終え、トオルが口にしたのは、衝撃の内容だった。 「実は、妻の詩織がアキラと不倫をしていたんだ……」 「え? まさかお前の親友の坂本アキラと?!」 トオルが口にした事実を理解するのに、暫く時間が必要だった。アキラというのは同じ大学の仲間で、トオルとアキラは当時何をするにも一緒につるんでいた記憶がある。 ただし、彼らの性格はどちらかというと正反対だった。 アキラは体育会系の精悍な顔立ちのイケメンで、よく言えば女にモテる、言い方を変えれば手が早い傾向は昔からあった。 人の話を聞くよりも、自分の話を面白おかしく話すことが得意な男だ。 一方、トオルは線が細く、どちらかというとやさし気に見えるタイプ。口数が多い方ではなかったが、相手の気持ちを汲むのが上手く、いつもアキラの聞き役にまわっていた。 何があったのか、裕二はもう少し詳しく話を聞くことにした。