「結婚式に友人をたくさん呼びたい」新婦の希望に研究職の新郎が抱く「もうひとつの不安」
人数格差と異性の友人
「ちなみに、祐介さんが結婚式で懸念していること、不安に思っていること、他にまだありますか?」 少しだけ沈黙した後、彼は春奈さんとの結婚式の話し合いがうまくいっていないことを打ち明けてくれました。 「彼女は交友関係が広く、たくさんの人を招待したいようです。でも、僕は彼女ほど友人が多くないので、人数に差が出てしまうのではないかと心配で……」 祐介さんは、結婚式は両家の招待客の人数を揃えるべきだと考えていました。片方だけ招待客が多いのは「普通ではない」と思い込み、自分たちの式が「普通ではない」ことに不安を感じていたのです。 かといって、新婦に合わせて、そんなに親しくもない知人をゲストに呼ぶことにも、違和感を持っていたようでした。 「それに、異性の友人を招待するのは、良くないという話を聞いたことがあって……。彼女は異性の友人も呼びたいようだったので、それも少し気になっていました」 彼は、自分が見てきた結婚式の形から、慣習やマナーのコンサバなイメージに縛られているのかもしれません。 「確かに、以前は結婚式のしきたりにこだわる風潮もありました。けれども、最近は両家の招待客の人数に差があっても、異性の友人が出席しても、全く問題ないとされています。おふたりとご両家の意向が一致しているのであれば、それで良いんですよ」 そう説明すると、祐介さんは少し驚きながらも、「そうなんですね」と、安堵の表情を浮かべました。 そして何度も「そうか、そうか」と呟き、新しい価値観を受け入れようとしていました。
本音で向き合うことの大切さ
その後、春奈さんとも改めて話し合い、ふたりの希望を丁寧にヒアリングしていったところ、祐介さんの不安や違和感は消え、春奈さんも招待したい人たちを全員呼べることになりました。春奈さんの表情も、晴れやかです。 おふたりの希望はこんな具合になりました。 ・格式張った雰囲気ではなく、アットホームな式にしたい。 ・料理が美味しい会場が良い。 ・形式的な演出は避け、ゲストとの会話を楽しめる時間にしたい。 シンプルでも温かな雰囲気のある、料理のおいしい会場を3軒ほどご紹介したところ、おふたりで相談し、その中からレストランウエディングに決めたと連絡がありました。 「やっと、結婚式の準備が始められます! 本当に嬉しいです!」 春奈さんは、声を弾ませていました。 祐介さんのように、「結婚式はこうあるべき」という固定観念に縛られてしまう人は少なくありません。けれども、実際には気にしなくても良いことがほとんどなのも、事実です。 また、今回のおふたりのように、意見がすれ違っていると感じても、直接その理由を聞くことをためらうカップルも多いように感じます。 相手を傷つけたくない、自分も傷つきたくない。どう話し合って良いか分からない。それは、相手を大切に思っているから、とも言えるかもしれません。 結婚式の準備は、楽しいことばかりではなく、時に意見がぶつかり合うこともあります。 ですが、それは決して悪いことではありません。 むしろ、これから結婚するふたりが、お互いの価値観や考え方を理解し、夫婦としてこれから共に歩んでいくための第一歩となる、貴重な機会と言えるでしょう。 ふたりだけで解決するのが難しい場合は、第三者に相談することで糸口が見つかることもあります。春奈さんや祐介さんのように感じていらっしゃる方には、ぜひ参考にして欲しいと思います。 【契約時見積もり額:60名353万円】 *トキハナへの相談料は無料です。
神田 裕子(トキハナ ブランドマネージャー・もとウェディングプランナー)