「結婚式に友人をたくさん呼びたい」新婦の希望に研究職の新郎が抱く「もうひとつの不安」
「結婚式に関する不満を教えてください」
近年、新郎新婦の価値観や個性を反映した『パーソナライズ』のニーズが、高まっているという。 【写真】「ゲストはたくさん呼びたい」友人知人の多い新婦に対し、寡黙な新郎は… 新郎新婦ファーストの、LINEでできる式場探し「トキハナ」が、2024年にXで令和の若者374人に「結婚式・結婚に関する不満を教えてください!アンケート」を調査。それによると、以前は主催者やゲストが、定型や慣習に合わせるのが当たり前だったが、今ではそうした強制力が障害となり、若者世代を中心に結婚式に対する違和感や閉塞感につながっているという。 社会における多様化が進むなか、特に、ジェンダーバイアスや費用負担といった従来の慣習に対する不満が、これまでの結婚式のあり方を見直すきっかけとなり、定番や慣習よりも、新郎新婦の主役の気負いもゲストの負担も減らした、誰もが心から楽しめる式が主流となってきたのだろう。 そんなウエディング業界で、ウエディングカウンセラーとして17年の経歴を持つエキスパートの神田裕子さん。 これまで5000組以上のウエディング相談実績を持つ神田さんが、後悔のない結婚式にするためのヒントをお伝えする連載の後編。
「新郎役」への違和感とプレッシャー
今回の相談者は、通常カップルでの面談にひとりで訪れたという28歳の女性。結婚することになった31歳の彼と、結婚式に対する考え方がかけ離れているように感じるのだという。彼女が結婚式を、「自分の大切な友人や家族に感謝を伝える場」にしたいと考え、「友人をたくさん招待したい」と話すと、彼はあまりいい顔をしなかった。 前編「『ゲストはたくさん呼びたい』28歳新婦に“いい顔をしない”新郎が抱く違和感の原因」では、理由を知りたくても、「関係がぎくしゃくするのが怖い」と訊けなかった彼女に代わって、神田さんが”面談“の形で彼から聞き出すことに。すると彼は「従来の保守的な結婚式」のイメージにとらわれ、「新郎の役」に対する違和感とプレッシャーを感じていたのがわかった。 神田さんの説明で、結婚式はもっと自由に、自分たちのやり方でいいとわかった祐介さん。だが、話を進めているうちに、彼にはもうひとつ気になることがあることがわかった。 後編も、神田さんの寄稿でお伝えする。