アフリカで“原因不明の病気”……患者の5人に1人が死亡、大半が15~18歳 専門医「感染症の可能性高い」日本へは?
日テレNEWS NNN
アフリカ中部のコンゴ民主共和国で、原因不明の病気により多くの死者が出ています。症状はインフルエンザに似ていて、免疫力が比較的高いはずの10代の若者に多く発症しています。感染症の専門医は、感染症の可能性を指摘。WHOも警戒を強めています。
■患者376人のうち71人が死亡
藤井貴彦キャスター 「患者の約5人に1人が死亡したといいます。アフリカ中部のコンゴ民主共和国で原因不明の病気が広がり、地元保健当局によると、1か月あまりで少なくとも376人の患者が確認され、保健相によると71人が亡くなっています。どんな病気なのでしょうか」
■被害拡大の可能性も…WHOが警戒強化
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「現時点では原因不明ということでわからないことも多いのですが、AP通信などによると、症状はインフルエンザに似ていて、発熱や頭痛、鼻水、せき、さらには呼吸困難などの症状もあるということです」 「特に注目すべきは、患者の年齢層です。この病気は特に10代に多く発症していて、亡くなった人の大半は、高齢者に比べて免疫力が高いはずの15~18歳だといいます」 「WHO(=世界保健機関)は被害の継続・拡大の可能性があるとして警戒を強めています。調査のため患者からのサンプル採取も始めて、原因究明を急いでいるということです」
■新しい病気? 感染症の専門医に聞く
藤井キャスター 「5年前の新型コロナウイルスのような、新しい病気なのでしょうか?」 小栗委員長 「とても気になりますよね。感染症が専門で新型コロナ対策の最前線で治療・研究にあたった大阪大学医学部の忽那賢志教授は、まだわからないことが多く断定的なことは言えないとした上で、『集団で感染しているので感染症の可能性が高い』と話しています」 「ただ患者に若い人たちが多いとされている点については、患者の全体数を把握できていない可能性もあることから、『今の段階ではこの病気の特徴とは言えない』と忽那教授は指摘していました」
■世界に広がっていく可能性は?
藤井キャスター 「この先、日本も含めて世界に広がっていく可能性はあるのでしょうか?」 小栗委員長 「忽那教授に聞きました。確かに現段階ではコンゴ民主共和国の一部地域での流行にとどまっていますが、日本と比べて衛生環境や医療体制が十分ではないなどの事情もあります」 「この原因不明の病気がこの先、首都のキンシャサなど都市部にまで広がるようであればほかの国にも広がり、日本にも来るような可能性もあるということです。ただ、物理的な距離もあり日本への直行便もないので、現時点では過度に恐れなくていいとのことです」 藤井キャスター 「現在の情報では、この病気について断定的に言えることは多くないということです。厚生労働省も『関係団体との連絡を密にし、注視しながら情報収集をしていきたい』としています」 (12月5日『news zero』より)