最近よく聞く中国製「BYD」の電気自動車って、本当のところどうなのか?
フロントバンパー左右端とホイールの特徴的なデザインも、直感的に他車との見分けがつくポイントだが、保守的な好みの人には、ちょっと戸惑われるかもしれない。 ちなみに「シール」とは英語でアザラシを意味するが、フロントバンパー左右端の特徴的デザインは、アザラシのヒゲから連想されたものかもしれない。だとしたら、ユーモアのセンスもなかなかのものだ。 革素材をたっぷり使った広いキャビンの仕上げも上質。スイッチ類は最少限で、ステアリングスポークとコンパクトなセンターコンソールに集約されている。 ナビを始め、その他のあれこれは巨大なタッチスクリーンにまとめられている。スクリーンは縦にも横にもでき、使い慣れれば非常に便利だろう。 だが、キャビンのデザインバランス的に見れば、サイズはもう一回りコンパクトな方が良かったように思う。 加えて、運転席前のメーターパネルは、逆にもう一回り大きく、情報表示のメリハリもより直感的にわかりやすいようにして欲しいといった印象も受けた。
ただし、このメーターパネルは、HUD (ヘッドアップディスプレイ)付きなので、日常の走行に支障はない。 ATセレクターや種々のスイッチがまとめられたパネルも、もう少し大きく操作しやすく、見た目のデザイン性も引き上げたい。 居住性はいいし、静粛性も高い。風音もよく抑え込まれているし、エコ系コンチネンタルタイヤを履きながら、ロードノイズも低い。長距離のドライブを快適にこなせる。後席のスペースもしっかり確保されている。 前席ではそう驚かないが、後席では全面幅広ガラスルーフによる異次元な開放感に驚かされる。キャビンが空に向かって大きく広がる感覚には、絶句する人もいるかもしれない。試乗したら、必ずここは体験しておこう。 BYDシールのデザインは、かつて、アルファロメオやアウディのデザインを牽引したドイツ人デザイナー、ヴォルフガング エッガーが指揮をとった、、と聞けば、「なるほど!」と頷く人も少なくないだろう。 デザインのみでなく、各部質感の仕上げ辺りもまた、同様に頷くことになるはずだ。