「あなたは自分自身で幸せを選べていますか?」…起業家教育No.1大学で教鞭をとる筆者が送る”必携の”思考法とは
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第78回 『「目の前の幸せも、一歩踏み出さないと手に入らない」…童話『青い鳥』から読み解く「真の起業道」とは』より続く
「その幸せを私自身が選んだ」ということが重要
私自身は、起業家というよりはむしろ起業道家。起業家精神を育てる立場です。そしてそれは「幸せをつくること」だと思っています。 先に紹介した医者の話ではありませんが、一人ひとりの起業家が臨床医だとしたら、私は研究医のようなものです。患者を治す方法を研究し、それを実践する医師を育てている。 時には、いきいきと起業に取り組み、一喜一憂し、失敗し、夢を叶える教え子たちの姿をうらやましく思うこともあります。 でも、そこに私の幸せがあります。そして、重要なことは、「その幸せを私自身が選んだ」ということです。 日本を代表するシリアルアントレプレナーの溝口勇児氏は、人生を選択の総和としてとらえる学び深い話をします。さまざまな選択の中で、本当に自分自身の意志で、自分の幸せという尺度で選択したことがどれだけあるでしょうか。案外、周囲に流されたり、人の影響を受けていたりすることが多いものです。
「面白いと思うほうでいいんじゃないか」
人の影響も悪いことばかりではありません。知人は、学生のころ、ちょっとしたことで「どうしようか?」と迷ってばかりいたそうです。その人は友人に相談しました。するとこういう答えが返ってきたそうです。 「面白いと思うほうでいいんじゃないか」 どちらがいいかではなく、どちらが面白そうかで選べというアドバイスだったそうです。どちらがいいかで選んでいたら、うまくいかなかったときに、後悔する。 けれど、面白いほうを選んでいたら、まぁそれもしょうがないかと思える。自分の意志で、後悔がない道を選べということでしょう。起業家が、自分の意志で、夢を叶える選択、それはきっと「面白いほう」を選ぶことでしょう。 幸せは、他人から与えられるものでも、天から降ってくるものでもありません。自分自身の選択の先にあるのです。 私はいま、とても楽しい。死ぬまで、挑戦者を育て、応援、支援し続けたい。活躍するみんなの姿を見ていたい。