脳性まひの子どもたちにも中学受験が増加 入試の壁を突破しても入学後にも懸念が
■インクルーシブ教育の影響 さて。我が家の次女は大学の面接時に、医療的ケアが必要な長女(次女の双子の姉)と足が不自由な弟の話をしたようです。次女は幼い頃から車いすやバギーに乗っているきょうだいたちと一緒だったため、外出先で「不思議な視線」を向けられることに抵抗を感じた時期があったそうです。ところが、しばらく生活をした米ハワイ州では、誰もが長女に優しく、ウインクをしてくれたり話しかけてくれたりしたことがとても嬉しかったと話したようです。 次女なりにこの違いは何なのだろうと考えた時に、「幼い頃から、障害のある子どもと健常児がお互いを知ることができる環境で育つこと=インクルーシブ教育」が原点ではないかと思ったようです。その環境はいずれ、知識となって共生社会の実現に影響していくのだと思います。次女は面接の最後に「自由に動ける健常者が行動することによって、障害のある方々が生活しやすくなる可能性がある」と力説したとのこと。そして、現在は手話で日常会話ができるようになることを目指しているようです。知らない間にずいぶん大人になりました。次女に桜が咲きますように。 ※AERAオンライン限定記事
江利川ちひろ