毎日同じメニューばかり食べています 栄養バランスが保たれていれば問題ないですよね?
忙しい現代人の中には、毎日の食事のメニューを考えるのが面倒という人も多いのではないでしょうか。同じ食材ばかりでも、バランスが取れていれば問題ないのでしょうか。管理栄養士の山田賢児さんに回答していただきました。 【動画】食事の基本から筋肉特化の情報まで、男子も必見の「筋育栄養学」
結論から言うと、毎日同じメニューを食べるというのは栄養素の偏りが生じやすいのでオススメできません。 仮に栄養バランスが取れているメニューだったとしても、あるいは「完全栄養食」を謳った商品を食べているとしても、それで十分とは言えません。なぜなら食材それぞれに含まれる栄養素は異なり、さまざまな食材から栄養素を摂取することで複合的に足りないものを補いながら総合点を上げていくことができるからです。毎日それだけ食べればOKというような「完璧な献立」はないと考えたほうがいいでしょう。
たとえばトマトという野菜にはリコペンという栄養素が含まれています。これは農林水産省などが推奨する必須の栄養素には入っていない物質ですが、人体にとって非常に有効な働きをします。また、よく「旬の食材を食べましょう」と言われますが、それらにはその時期を生き抜く生命力が宿っています。このような点からも、なるべく多くの食材を摂ることには大きなメリットがあるのです。 とはいえ、習慣化するには効率も大切ですし、現実問題としてコストを抑えることも重要です。私も学生時代には自分で栄養価を計算し、パーフェクトと思える朝食を考案したことがあります。それは玄米を混ぜた白米、納豆、卵、ゴマ、海苔、牛乳、ミカン1個。これは計算上パーフェクトでコスト的にも安く済むので大いに助かりました。 そこまで計算して行なうのであれば同じメニューが続くのも時にはアリだと思います。何も考えずに食べたいモノを食べるよりは、はるかにいいと思います。ただ、それが数ヵ月~1年といったスパンで続くのはやはりオススメできません。 たとえば肉を食べた翌日は魚にしてみたり、外食時にふだん食べない食材を摂ってみたり、まずは少しずつ主菜や副菜の中身を変えてみるといいでしょう。小さなことですが、ゴハンのふりかけを小魚にしてみたり、卵にしてみたりといった変化でもやらないよりはいいと思います。そしてスーパーに行った時には、なるべく旬の食材を買ってみることもポイントです。