厚生年金「ひとりで月額15万円超える人」の割合を確認。政府提示のモデル年金(複数パターン)も紹介
筆者は信用金庫に勤務していましたが、偶数月の15日に、ATMが混み合う場面を多く見かけてきました。 ◆【図表】ちょっとうらやましい「月額15万円以上」の割合を確認。政府が示す”モデル年金”も複数パターンに増えた そう、2・4・6・8・10・12月の15日は公的年金の支給日。2カ月に一度、生活費などの引き出しのために来店するお客様が多かったのです。 年金支給日はさしづめ、現役世代でいうと給料日。とはいえ年金の場合は前月までの2カ月分が合算して振り込まれますので、家計管理のリズムも変わってきそうですよね。 また止まらぬ物価上昇が世代を超えた家計を圧迫するいま、働き盛り世代の中には「遠い将来の生活設計」についても漠然とした不安や疑問を持つ人もいるでしょう。 ちなみに総務省の家計調査報告(※)によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出はひと月14万5430円。この金額をカバーできる、厚生年金を「ひとりで月額15万円超える人」はどの程度いるのでしょうか。 今回は、年金制度の基本をおさらいしたあと、厚生労働省が公表したモデル年金額(単身世帯・夫婦世帯)や、今のシニア世代が実際に受け取る年金額データを見ていきます。 ※総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【日本の公的年金制度は2階建て】厚生年金&国民年金「加入者はどんな人?」
さいしょに公的年金のしくみからおさらいしましょう。 「日本の年金制度は2階建て」と言われるように、公的年金は1階部分に当たる「国民年金」と2階部分に当たる「厚生年金」から成り立ちます。 国民年金の加入対象は、原則「国内に住む20歳~60歳のすべての人」。これに加え、会社員や公務員などのサラリーマンは「厚生年金」に上乗せ加入します。 現役時代の年金加入状況により老後の年金額は人それぞれ。厚生年金加入期間がない人は国民年金のみを受給、厚生年金加入期間がある人が国民年金と厚生年金の併給となります。 国民年金の年金保険料は全員一律。年金保険料を全期間(480カ月)納めた場合に受け取れる「満額の老齢基礎年金は6万8000円(2024年度・月額)です。 ただし、付加保険料の納付、さらには繰下げ受給の制度を活用て受給額を増やせた場合でも、ひと月の年金額が15万円になることは難しいです。 一方厚生年金は、現役時代に収入に応じた年金保険料を支払う「報酬比例制」。年金加入期間や収入により、老後の宇受給額に個人差が出ます。 上限はありますが、多く稼ぎ、長く働いた人ほど、老後に多く年金がもらえるしくみです。この場合、一人で月額15万円の年金を受け取れる人も出てきます(※後述)。 次では、2024年5月に政府が提示した、世帯パターン別の老齢年金モデル金額を紹介します。