厚生年金「ひとりで月額15万円超える人」の割合を確認。政府提示のモデル年金(複数パターン)も紹介
国民年金だけを受け取る場合「ひとりで月額15万円超えることは不可能」
国民年金は先述の通り、満額でも月額6万8000円(2024年度)。「ひとりで月額15万円超えること」は不可能ですが、平均額や個人差についても厚生年金と同様に見ていきましょう。 男女全体平均月額:5万6316円 ・男性平均月額:5万8798円 ・女性平均月額:5万4426円 国民年金の平均年金月額は男女ともに5万円台でした。厚生年金ほどの個人差・男女差は見られません。
老後に向けて「転ばぬ先の杖」を意識した資産づくりを
今回は、年金制度のしくみをおさらいした後、先般公表されたモデル年金、そして今のシニア世代が実際に受け取る年金額のデータを眺めてきました。 また65歳以上の単身無職世帯の消費支出はひと月14万5430円。この金額を年金だけでカバーできる、年金額が「ひと月15万円超の人」は、厚生年金保険第1号受給権者(男女全体の)46.1%となりました。 生活費や年金収入、さらには貯蓄額などは世帯によって異なります。とはいえ、リタイア後の年金生活では、ほとんどの世帯が現役時代よりも少ない収入でやりくりをしていく必要があるでしょう。 また、シニア世代の就業状態も大きく変化しつつある時代です。65歳を過ぎても働き続ける人は増えています。とはいえ年齢を重ねてからの就業は、健康状態や体力面との相談になる可能性が高まります。 また、若い頃の家計を圧迫していた住宅ローンや教育費といった大型支出は落ち着くものの、今度は医療費が増えたり介護費用が発生する可能性も。ぜひ「転ばぬ先の杖」として、若い頃からコツコツと老後に向けた資産づくりも意識していきたいものです。 預貯金、保険、資産運用などを上手に組み合わせながら、老後に備えていけたら安心ですね。
参考資料
・総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」 ・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」 ・厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
山本 大樹