植物が好きで「ガーデニング」を趣味にしていますが、地味に出費が痛いです…。「発酵コンポスト」を使うとどれくらい節約できますか?
古くから家庭で出た生ごみは、田畑の堆肥として利用されていました。しかし、都市化が進み、化学肥料や農薬を利用した農業が普及したことで、生ごみも焼却処理されるようになりました。環境への影響が問題視され始め、近年再び発酵コンポストを用いて生ごみを再利用する動きが注目を集めています。 本記事では、発酵コンポストのメリットを家庭面と環境面でそれぞれ紹介するとともに、あわせてデメリットも紹介します。
発酵コンポスト:生ごみから堆肥を作る機械
発酵コンポストとは、家庭で出た生ごみや落ち葉、下水泥などから堆肥を作るための機械です。微生物の働きを利用して発酵・分解させることにより堆肥が完成します。有機物を発酵・分解させて堆肥を作る仕組みは、400年ほど前の江戸時代からすでに始まっていたとされています。堆肥作りは、古くから継承されてきた大切な知恵の一つなのです。 ■【家庭】発酵コンポストを利用するメリット 家庭にもたらされるメリットは以下のとおりです。 ●生ごみを捨てる手間が省ける ●生ごみを集めておくごみ袋が不要になる ●生ごみを利用してガーデニングに役立つ堆肥が作れる ●自治体によって補助がある 生ごみが減るとともに捨てるために使用していたごみ袋の購入が不要になるため、節約につながります。また、植物や野菜を育てるための土として再利用できるため、わざわざ土を購入する必要がありません。自宅の庭を広く使ってガーデニングをしている場合は、定期的に堆肥を作れる発酵コンポストを重宝します。 また、地域によっては発酵コンポストを購入するための費用を一部補助してくれる制度があります。購入を検討している人は、お住まいの地域で補助制度がないかチェックしてみましょう。 ■【環境】発酵コンポストを利用するメリット 環境へのメリットは以下のとおりです。 ●本来捨てるはずの生ごみを再利用できる ●生ごみを焼却する際に発生する二酸化炭素の量を削減できる ●生ごみが減ることでごみ焼却にかかる費用を抑えられる 本来捨てるはずの生ごみを再利用することでごみの量が減り、焼却時に発生する二酸化炭素排出量の削減にも貢献できるでしょう。生ごみは水分を多く含んでいて焼却に時間がかかるため、石油をかけて燃やしやすくする場合があります。 石油を燃焼することで二酸化炭素の排出量が増えるうえに、採掘や輸送でも二酸化炭素が排出されます。生ごみを減らすことは、石油の利用を減らし、結果として地球温暖化の防止につながると考えられるでしょう。 ■発酵コンポストを利用するデメリット デメリットは以下のとおりです。 ●堆肥ができあがるまで時間がかかる ●時間がかかるため悪臭や虫がわく原因になる可能性がある ●堆肥を定期的にかき混ぜる手間が発生する ●ガーデニングをしていない人にとっては堆肥の使い道に困る ふたを開けると酸っぱいにおいがする場合もあります。しかし、これはしっかり発酵できている証拠なので、不安に感じる必要はありません。臭いを抑えたい場合は、ふたつきの密閉できるコンポストを利用したり、生ごみの余分な水分をあらかじめ絞っておいたりするといいでしょう。