娘が「ホス狂い」親たちの座談会 説得しても聞く耳もたず…「まるでカルト」洗脳されたわが子への絶望
出稼ぎ先のホテルで亡くなった娘
――青母連には、さまざまな立場の父母が参加している。今現在、娘と連絡がとれなくなっている親や、ホスト沼から脱した娘の経験を共有したい親などさまざまだ。中には、こちらのFさんのような方も。その言葉はあまりにも重い。 (Fさん) 大阪からzoomで参加します。わたしは“遺族”です。4月に22歳の娘を亡くしました。きっかけはコロナで、アルバイト先の仕事がなくなり、ミナミの飲食店で働き始めたことでした。そこで出会った男の子に、いわゆる“育て”られ、あとは皆さんと同じです。大学も辞めて、家も出て行って。最初は普通のカップルみたいに交際していたんですよ。そのあと引き込まれて、風俗店で働かされて……って感じです。自死では無くて、不慮の事故だったのですが、亡くなったのは出稼ぎ先の中部地方のビジネスホテル。所持金はたったの495円でした。いくらなんでも、です。あとから、そのホテルはスカウトが取っていて、亡くなったのは、お金の回収日だったことがわかりました。 ――すでに触れたCさんとDさんのように、ホスト問題では家族が負う金銭的なダメージも無視できない。特にこちらのGさんは、多額の被害にあってしまった。 (Gさん) うちの娘も、大阪でひとり暮らしをしていました。全部で5000万円は、ホストに使われてしまったでしょうか。昨年、主人が交通事故で亡くなり、その賠償金などです。亡くなって半年後に、主人の会社の取引先だった方から「娘さんからお金を貸してと頼まれたのですが、本当に娘さんでしょうか」と連絡があったんです。主人が使っていた携帯電話は、解約せず、お守り代わりに娘に持たせていた。それを使って無心したんです。 それでホスト通いが明らかになって、その時点で600万円の売掛金があると知らされました。これで最後にしてと肩代わりしたんですが、その後も勝手にキャッシュカードを持ち出して、計1500万円ほどを持ち出した。それは銀行から連絡があって気づきました。その後も、私の口座から500万円、さらにずるずると……。ひとり暮らししていた家も、私に黙って、ミナミの方へ引っ越していました。ホストクラブに近い場所です。ホストはここまでするんです。 ――“洗脳”によって娘を狂わされたと訴える親たちは、同時に、自らの無力感にも打ちひしがれている。【後編】では、育て方を間違えたのか…という苦悩について語ってもらった。 デイリー新潮編集部
新潮社