老後は孫との時間を大事に、金銭的にも「援助」してあげたい。自分用の老後資金として「1000万円」くらいあればよいでしょうか?
老後は仕事をほどほどにして、孫との時間を大切にしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。できれば孫の教育費などを援助したいところですが、どれくらい貯蓄をしていれば余裕のある生活ができるのか、目安を知っておくと安心です。 そこで今回は、老後の生活に必要な資金や、孫を金銭的に援助する際の注意点について調べてみました。必要とする老後資金は、人によって異なるところもありますが、一般的な目安として参考にしてみてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後は孫との時間を大切にしたい! まずは自分たちの生活費を計算してみよう
老後は、仕事を続けるのもいいけれど、できればゆっくりと過ごしながら、かわいい孫との時間を大切にしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。仕事をしない場合は、公的年金だけで生活をすることになりますが、どれだけ貯蓄をしていればよいのかについて説明します。 総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における消費支出は23万6696円、税金や社会保険料などの非消費支出は3万1812円であり、合計で26万8508円であることが分かります。これに対して実収入は、社会保障給付の22万418円に、そのほかの収入を加えて、合計24万6237円です。 つまり、実収入から消費支出および非消費支出の合計を差し引くと、毎月2万2271円の不足が生じることになります。65歳から100歳まで35年間生きるとすると、単純計算で935万3820円が不足することになり、老後資金として準備しておく必要があると分かります。 ただし、この調査は毎年行われており、不足金額は月3万~6万円台で推移しているようです。不足分を35年間で計算すると、老後資金は1260万~2520万円ほど必要になる可能性もあります。
孫を金銭的に援助したい! 税金面の注意点は?
自分たちに必要な老後資金の目安を計算したところで、さらに、孫を金銭的に援助したいと考える方もいらっしゃるでしょう。孫の高校・大学の費用や、留学費用、または用途を問わずになんらかの援助をしたい場合は、税金に注意が必要です。 資金を援助することは贈与になりますから、贈与税が発生する可能性があります。そこで、以下のような非課税制度を活用して、効率的に資金援助をする方法を考える必要があります。 ・暦年贈与 年間110万円までの贈与であれば、原則非課税です。用途も限定されず、申告なども必要ありません。 ・都度贈与 孫の入学金や授業料などの教育費や生活費で、通常必要であると認められるものを、その都度贈与する方法です。これらは扶養義務の範囲と見なされ、非課税となります。 ・祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度 祖父母などの直系尊属が、30歳未満の方に教育資金を贈与する場合に、金融機関などとの一定の契約に基づいて教育資金非課税申告書の提出をすることで、1500万円までの贈与税が非課税になる制度です。この制度が適用されるのは、2026年3月までです。