9.27「RIZIN.24」で那須川天心vs皇治が決定…天才と元K-1ファイターの戦いは名勝負となるのか?
強すぎて対戦相手がいないという状況にあった天心にとってみれば、元K-1ファイターの肩書きがあり、“舌戦“を仕掛けてくる皇治は、モチベーションを掻き立てられる相手に違いない。対戦を熱望しているK-1の“エース“武尊との対戦実現の可能性は見えてこないが、そのK-1からもう一人の中心選手がRIZINに乗り込んできたのだ。 皇治は2016年からK-1に参戦。トップファイターの一人として12試合戦い3敗しているが、ISKA K-1ルール世界ライト級王座も獲得している。 「みなさんには(皇治に)打たれ強いイメージがあると思う。そこを崩したいな。バチバチいってやろうかなと思っています」 そうとも語った天心が記者の質問に一度だけ目の色を変えた場面があった。 「過去に皇治のKO負けは一度もないが?」との質問が出た直後だ。 「そうなんですか?もちろん、(KO勝利を)やります。ばっちり。勝つのは当たり前なんですが、一回もKO負けがないってことは、ちょっと楽しみになりました」 皇治は、2年前の12月に武尊に負けているものの、壮絶な殴り合いの末の判定決着だった。1ラウンドと3ラウンドにダウンを奪われたが、10カウントは聞かなかった。武尊が倒しきれなかった皇治を天心がリングに這わせれば、間接的な三段論法で、格闘ファンは、天心と武尊にハッキリとした序列をつけるかもしれない。 7月のRISEの試合で痛めた拳は、「まだ少し痛みがある」という状況だが、「いいトレーニングはできているし、スペシャルな技を用意します」とも公言した。 ただ、皇治も黙ってやられるわけにはいかない。 「みんなオレのことを倒すって言って、よう倒さんので。早よ、倒して、この(オレの)減らず口を黙らせてほしいんですけどね。逆に泣かしますけどね」 実は、キャリア15敗のうち、2011年に北薗翔大に1試合だけKO負けを喫している事実があったと、すぐに訂正されたが、そのやりとりを聞いていた皇治は、「オレに恥をかかすのをやめてもらっていいかな(笑)」と関西人らしいノリで突っ込んだ。 質疑が進むにつれ皇治節の調子も上がってきた。 「挑発? させられとったんですよ。まあ、それは冗談として、オレは素直に思っていることを言っているだけ。勘違いして欲しくないのは、負け戦をしにいくわけじゃない。殴られにいくわけじゃない。全身全霊で天ちゃんからすべてを奪ってやろうと思っている。試合するまでは、“不可能だろう”とほざいとけという感じ。根性で行きますよ」 そして、唐突に、こんな提案をした。 「ルールは、メイウェザーと一緒で、蹴ったら1億円(の罰金)でいいですか?」 2018年の大晦日に天心は、プロボクシングの無敗の元5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)とボクシングルールのエキシビションで戦い、無残なKO負けを喫したが、その際、契約でキックを使った場合のペナルティが設定されていた。 榊原CEOが、「5億円だよ」と罰金の金額を訂正したが、天心が「お互いに? それじゃボクシングじゃないですか?」と突っ込むと、「オレが蹴ったら(罰金は)200円で」とおどけた。“皇治劇場“は、最後に全開になった。