上司の「若いんだから大丈夫だよ!」はマズイひと言…若手の「疲れた」「厳しい」は“すでに崖っぷち”のサイン
若手社員が口にする「疲れた」「厳しい」という言葉は、決してオーバーなものではありません。若手からしんどそうな“ひと言”が聞こえたとき、「若手を伸ばす上司」はどのような対応をするのでしょうか? 若手社員育成専門コンサルタント・伊藤誠一郎氏の著書『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです』(日本実業出版社)より一部抜粋し、紹介します。
若手社員の「疲れた」「厳しい」を軽く受けとめてはいけない
基本的な仕事ができるようになり、その調子で頑張ってほしいと思っているときにかぎって、意外な言葉をつぶやくのが若手社員というものです。 若手から「疲れた…」「厳しい…」という言葉をよく聞くようになったら要注意です。「何を言ってるんだ!」「若いんだから大丈夫だよ!」。こんな言葉で安易に一蹴しないようにしてください。 最近の若手社員は、閉塞感の漂う鬱々とした世の中において、常に失敗できないというプレッシャーを抱えながら生きています。したがって、彼らがいくら若いからといって「疲れた…」「厳しい…」という声は、決してオーバーなものではありません。 また、若手をそのまま放置してしまうと、心身に支障を来たす事態を招く可能性があることを上司や先輩は頭の隅に置いておく必要があります。 「何も聞いてくれなかった…」「何もしてくれなかった……」という上司や先輩への不満を残してしまうと、いずれは組織への失望につながることすらあります。
まず気持ちを受けとめて、どうすればいいかを一緒に考える
上司や先輩は言語化力と説明力を発揮する場として若手に丁寧な対応を心がけるようにしてください。 まずは、若手に「何も聞いてくれなかった」と言われないための対応です。「何をして疲れたのか?」「どれぐらい疲れているのか?」「何をどのように厳しいと感じるのか?」といった点について、話を聞く時間と場を設けるようにします。 その際、原因を突き止めて解決しようという意識が強すぎると、「なぜ?」「どうして?」と問い詰める口調になってしまいます。彼らに逆にプレッシャーを与えることのないように、あくまで現状を聞くだけにしてください (⇒関連記事:『「説明がうまい営業とヘタな営業、どっちが喜ばれると思う?」←こういう〈わかりきったこと〉を質問する上司』参照) 。 そして、しんどい若手の代わりに上司や先輩が無条件に仕事を引き受けることがないようにもしてください。ごちゃごちゃ言われるぐらいなら自分がやったほうが早いとの理由から、上司や先輩が先走って動いてしまうという話をよく聞きます。しかし、それでは目の前の仕事の状況は変わっても、若手社員の状況は何も解決されません。 若手社員が抱えている現状の問題を解決すべく、しっかりアドバイスをするのが上司や先輩の役割です。