旧皇族を名乗る「殿下系YouTuber」華頂博一は“ニセ殿下”だった!《全国で講演会活動、第2の有栖川宮詐欺事件か》
自身の出自について問われると「宮内庁に呼ばれまして」
例えば2021年に投稿された他のYouTuberとのコラボ動画のタイトルは〈旧皇族華頂宮殿下 皇室の真実を語る〉。 そこでは自身の出自について問われると「宮内庁に呼ばれまして」と切り出し、「戦争で負けると男系が切れる。だから戦争が終わる前に潜らされている」と述べている。あたかも自身は男系男子として世間から隠された存在であり、皇族数の減少を危惧する宮内庁から呼び出されたという口ぶりなのだ。 〈華頂博一にしか語れない、祖父華頂博信の秘話〉と題して、自身の“祖父”や“曽祖父”について語る動画もある。そこでは、自身を育てた祖父についてこう語っている。 「(博信氏は)政治にはすごく興味があったと思う。新聞何紙もとってたし、日曜日は必ず『時事放談』って番組を見てた」 さらに「祖父から聞いた」とした上で、歴史認識についても言及している。 「おじいちゃんは、慰安婦の問題は、基本的に軍は関与していないよと言っていた」(〈激動の時代になる〉より) 華頂殿下は実際に、旧皇族の関連団体にも関わっていた。宗教関係者が語る。 「一般社団法人『日本文化振興会』の役員から、彼を紹介されたことがあります。この会は日本文化の隆盛や発展に力を注ぐことを目的としており、歴代総裁は旧皇族が務めている。現在の総裁は伏見家の当主・伏見博明氏です。そんな同会で、華頂さんは『副総裁』の役職に就いており、名刺をもっていました」 別の一般社団法人の公式サイト上に、華頂殿下と伏見氏が一緒に写る写真が掲載されたこともあった。
露呈する不審点の数々
YouTubeだけでなく、全国各地で講演会も開催。確認できる限り料金は1000~5000円で、今年5月に大阪でゲストとの対談形式で開催された講演会には、約300人が参加したとされる。 旧皇族という立場をアピールして活動の場を広げている華頂殿下。だが、そんな彼にいま、不審点が露呈しつつあるという。前出の視聴者はこう首を傾げる。 「これまで華頂殿下と華頂宮家をつなぐ客観的な証拠が示されたことは一度もないのです。そもそも、華頂殿下が祖父の博信氏に養育されたというストーリーは、時系列があわない。博信氏は1953年に渡米し、1970年に米国で亡くなっています。一方、博信氏に育てられたという華頂殿下は1959年生まれと公表している。こうした矛盾について、殿下は動画で、“博信氏が米国で逝去したというのは偽装で、その後佐世保に住まいを移し、自身を養育した”と語っているのですが……」 にわかに雲行きが怪しくなる、荒唐無稽な説明。さらに、華頂殿下を古くから知る人物は、こう断言するのだ。 「彼が話していることはデタラメです。10年以上前から彼を知っていますが、出身は佐世保であるものの、本名は『華頂』ではなく、『豊田佐一』(仮名)といいます。かつての彼は派遣労働で生計を立てる傍ら、バンド活動に長らく身を投じていた。歴史研究家は自称に過ぎません」