マンモグラフィは痛いのになぜ圧迫して撮影するのかご存じですか? 楽に受けるコツはある?
マンモグラフィの仕組みを解説
編集部: 乳腺をきれいに観察するために、なぜ圧迫しなければならないのですか? 竹原先生: マンモグラフィでは乳腺は白く写り、病変はより白く写るものが多いのですが、乳房を圧迫せずにそのままレントゲン撮影をすると、乳腺同士が重なってしまい、病変を見つけにくくなるからです。 そのためマンモグラフィの検査ではまず乳房を薄く広げ、それを専用の圧迫板で固定して撮影します。そうすることで乳腺の重なりが少なくなり、きれいに撮影できるのです。 編集部: 人によって、圧迫された時に痛みを感じる人と感じない人がいるようです。 竹原先生: はい、確かに痛みを感じる程度には個人差があります。一般的に、痛みを感じやすいか、感じにくいかは、乳腺の量や生理周期に伴う乳腺の張り、肋骨の形などが影響するとされています。 編集部: マンモグラフィの検査では、がん以外にどんな異常を見つけることができるのですか? 竹原先生: がんのほかにも、良性のしこりや良性の石灰化が見えることもあります。明らかに良性であることがわかる場合には再検査は不要ですが、良性か悪性か判断に迷う場合には再検査(精密検査)が必要になります。 編集部: 再検査ではどのようなことを行うのですか? 竹原先生: 初回の検査結果にもよりますが、もう一度マンモグラフィの検査を行うこともあります。 というのも、マンモグラフィは立体の乳房を挟んで潰して撮影し、平面の写真にしているので、挟み方や重なり方が変われば、初回の検査で見えていた病変らしきものが見えなくなることもあるからです。 初回に指摘された病変が同じように見えるのかどうかをチェックしたり、撮影する方向を変えた方法で行ったりすることもあります。また、エコー(超音波)検査を行うこともあります。 編集部: 再検査でもマンモグラフィやエコー検査を行うのですね。 竹原先生: はい、そのうえで病変が見える場合には、細胞や組織を取る検査を行います。そのほか、エコー検査などではわからない場合や、乳がんかどうかの判定に迷うような場合には乳房のMRI検査を行うこともあります。 ただし、病変がある場合でも去年や一昨年の検査でも同様の見え方であれば、がんを疑わないという判断がなされ、再検査が不要になります。ですので、同じ施設で継続して検査を受けることは過去の検査と比較ができるため大きなメリットになります。