マンモグラフィは痛いのになぜ圧迫して撮影するのかご存じですか? 楽に受けるコツはある?
乳がん検診でマンモグラフィの検査を受けた女性の中で、「圧迫されて痛い」と感じた人も多いはず。一体、マンモグラフィはなぜ、強い力で胸を圧迫するのでしょうか。検査の仕組みやその理由について、めぐみ乳腺クリニックの竹原先生に教えてもらいました。 【イラスト解説】乳がんを発症する9つの危険因子 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
マンモグラフィとはどのような検査なのか?
編集部: マンモグラフィとはどのような検査ですか? 竹原先生: 簡単に言えば、乳房専用のレントゲン検査のことです。専用のレントゲン装置を使って乳房を挟んで圧迫し、乳房の内部を写し出します。 編集部: マンモグラフィは痛いというイメージがあります。なぜ、強く圧迫するのですか? 竹原先生: なぜかというと、マンモグラフィの検査では乳房を薄く広げてしっかり固定することで、乳腺をきれいに写し出すことができるためです。 そのように撮影することによって、病変を見つけやすくなります。同時に乳房を圧迫して薄くすることで、乳房に対する被ばく量を減らすこともできます。 編集部: 乳腺とはなんですか? 竹原先生: 乳腺とは乳頭を中心に、乳房内に放射状に広がる組織のことで、母乳を作るという大切な役割を担っています。もっと細かく分けると、母乳を分泌するための小葉、母乳を運ぶ乳管、授乳するための乳頭という3つの組織によって乳腺は構成されています。 編集部: なぜ、マンモグラフィでは乳腺を写すのですか? 竹原先生: 乳がんは乳腺から発生するためです。乳がんの9割は乳管から発生し、1割程度は小葉から発生します。 乳腺は乳頭から15~20個の腺葉(腺葉とは、小葉と乳管の集まりの単位で、1つの単位が最終的に乳頭の母乳が分泌される1つの出口になっています)が放射状に広がって構成されています。 マンモグラフィではこの乳腺を写し出して、しこりや石灰化、正常と違う見え方をするものがないかを観察し、病変の有無を確認します。