後藤智香が天麗皇希とのGHC女子王座戦で頂点狙う「これは私のためのベルト」
「まるで私から挑戦を申し込んだかのような発言が多くて、正直違和感があります」
女子プロレス団体・マリーゴールドの注目を集める1月3日の大田区総合体育館大会で、後藤智香が天麗皇希の保持するGHC女子王座に挑む。この試合は、皇希が初防衛戦の相手として後藤を指名したことで実現。 後藤智香がセクシーなハイレグ姿を披露 「挑戦者」ではなく「挑まれる側」としてリングに立つ後藤は、「これは私のためのベルトだ」と語り、過去の因縁と逆指名に込められた思いを胸にタイトル奪取を誓う。挑戦を決断した背景や、王座に懸ける特別な思いを語った。 天麗皇希との試合への意気込み ――1.3大田区大会で天麗皇希選手が保持するGHC女子王座に挑戦しますが試合に向けた意気込みをお聞かせください。 何度も言っていることではあるんですが、そもそも今回のGHC女子王座の初防衛戦、これは皇希から私を指名してきたんです。ですが、まるで私から挑戦を申し込んだかのような発言が多くて、正直違和感があります。 ――具体的にはどういった経緯だったのでしょうか? 昨年の『DREAM✴STAR GP 2024』で、皇希とシングルで初めて戦い、私はその試合で勝利しました。その結果、皇希が「智香を超えなければならない」と悔しさを感じたようで、今回私を指名してきたんです。でも、勝ったのは私なんです。 ――その点では挑戦者というより「挑まれる側」とも言えるかもしれませんね。 そうなんです。私は1ヶ月半ほど試合を離れていた期間がありましたが、その間、皇希はマリーゴールド以外の試合にも出場し、自分を磨いてきました。積み上げてきたものには自信があるようにも見えます。ただ、復帰してリングに上がった際に感じたのは「皇希との差はそれほど大きくない」ということでした。もちろん、一ヶ月半のブランク分の経験値の差はあるかもしれませんが、それでも私は十分に戦える準備ができています。 ――逆指名を受けた時の心境を教えてください。 その時はまだ自分の復帰時期も定まっていなかったので、正直「私でいいの?」って思いました。GHCランブル戦(初代王者決定戦)はリアルタイムで観ていて、自分が欠場中だった分、悔しさもありましたね。でも、皇希が私にリベンジを望んでいるのだと感じて、「ここで受けて立つしかない」と覚悟を決めました。 ――GHC女子王座への特別な想いもあるようですね。 はい。このGHC女子王座という名前を見ただけで「これは私のためのベルトだ」と思っています。だって、ベルトの名前に入っているGとHとC、「グローバルでハッピーな智香のためのベルト」私の名前の「後藤智香」にもあてはまるんです(笑)。男子のGHC王座には多くの偉大な選手たちの歴史がありますよね。でも、この女子のベルトはまだ歴史が浅く、皇希が初めて獲ったばかり。つまり、まだ何色にも染まっていない状態なんです。このベルトを私が手に入れて、私の色に染めたい。それが今回の挑戦の大きな理由です。 ――天麗選手への対抗心が強く感じられます。 そうですね。「智香を超えなければならない」と言って逆指名してきたのは、それだけ私が皇希にとって特別な存在だからだと思っています。ただ、私はすでに皇希に勝っている。だからこそ、このベルトを取ることで、GHC女子王座の価値もさらに高めたいと思っています。 ――後藤選手にとって、今回のGHC女子選手権挑戦はどのような意味を持っていますか? これは私のキャリアの中でも大きな挑戦ですし、皇希とタッグを組んで培ってきたものを試す機会でもあります。この試合を通じて、私自身の成長を証明したいですし、同時にタッグパートナーとしての絆も再確認できるような試合にしたいと思っています。 ――天麗皇希選手との対戦について、どのように考えていますか? 皇希は非常に強いチャンピオンですが、私はこの試合で自分の名前をもっとプロレス界に知らしめたいと思っています。もちろん、挑戦者として批判やプレッシャーもありますが、そんなものに怯んでいてはプロレスはできません。私は自分らしさを貫いて、このチャンスに全力で挑むつもりです。 ――天麗選手とのタッグ「tWin toWer」の活動時についてはどんな印象を持っていますか? 本当に楽しかったですね。皇希は私とは性格もファイトスタイルも全然違って、ただ背が高いという共通点くらいしかなかったんです。でも、そこがかえって良いバランスになっていました。私が感情的に突っ走るタイプなら、皇希は冷静に状況を見極めるタイプで、お互いに足りない部分を補えたと思います。 ――現在はタッグ解消という形になっていますが、その点についてはどう感じていますか? 解散したつもりは全くありません。皇希自身もそう言っていますし、私も同じ気持ちです。ただ、今回の挑戦はタッグのパートナーとしてではなく、一個人のレスラーとして決着をつける場だと思っています。 ――プライベートでも仲が良かったのでしょうか? 仲は良かったですけど、あくまでビジネスパートナーとしての距離感を保っていた感じですね。皇希から食事に誘われることも多かったですけど、私の都合が合わないことが多くて(笑)。でも、私の実家の居酒屋に家族とご飯を食べに来てくれたこともありましたし、仕事の場を離れても気にかけてくれているのが伝わりました。 ――今回の対戦に向けて、天麗選手に伝えたいことはありますか? 皇希が上から目線のことを言う場面が多かったので、ここで私がギャフンと言わせたいですね。そして、「私が勝った」とファンの皆さんにも伝えたい。リング上ではお互いの感情がぶつかり合う戦いになると思いますが、それがかえってこの試合の見どころになると感じています。 ――GHC女子王座に挑戦することについて、ファンや関係者からの反響はどう感じていますか? GHCという歴史あるベルトに挑戦することは本当に光栄です。一方で、私のキャラクターや発言が「ふざけている」とか、「歴史をリスペクトしていない」と批判されることもあります。でも、私はこのベルトを「グローバルでハッピーな智香のためのベルト」として捉えていて、本気でそう思っています。プロレスは自分を信じて突き進むことが大切だと感じているので、これからも自分のスタイルを貫き通したいです。 ――現在のコンディションはいかがですか? 体調はもうばっちりです。この1ヶ月半は胸骨骨折で欠場していましたが、焦りもありました。その間、他の部分で何ができるかを考え、しっかり休んで治療に専念しました。万全な状態でこの挑戦に臨みます。 ――前哨戦で3度試合を行いましたが、どのような手応えを感じていますか? 前哨戦は非常に意味のあるものでした。初戦では未来さんとタッグを組んで、皇希と対戦しました。その試合は15分の時間切れ引き分けに終わりましたが、最後の皇希との前哨戦では、劣勢に追い込まれつつも「あと少しで取れるかもしれない」と感じる瞬間がありました。 ――その後の試合では、どのような変化が見られましたか? 次の試合では直接の絡みは少なかったものの、昨日の後楽園ホールでの6人タッグでは全力で気持ちをぶつけました。皇希も応えてくれて、戦いの中で「私は勝てる」という確信がさらに強まりました。前哨戦を通して感じたのは、GHC女子王座を手に入れる未来がはっきりと見えたことです。ただ、皇希は「このベルトとともに成長する」と語っていましたが、まだその言葉に説得力を感じません。彼女はベルトを持って入場する姿こそ似合っていますが、そこにプロレスラーとしての発信力や強いメッセージ性が不足していると思います。 ――その点で後藤選手が目指す王者像とは? 私はベルトの歴史と重みをしっかり背負いながら、その価値をさらに高めていきたいです。皇希がこのベルトを通して何を伝えたいのか、その思いがまだ伝わってきません。私はこの挑戦を通して、自分自身の成長とともにベルトの価値を証明したいと思っています。 ――自身の強みについて、どのように感じていますか? 自分の身長が大きな武器になるはずだと、小川さんからもほぼ毎日のように言われています。でも、それをまだ十分に活かせていないとも感じています。だからもっとこの身長を使いこなして戦いたいです。気迫だけでは勝てないのがプロレスですが、気持ちで勝負できる部分もプロレスの魅力だと思っています。それだけじゃなく、技術もさらに磨いていかないといけませんね。 マリーゴールド入団から今年を振り返って ――マリーゴールド入団から約7か月が経過しました、現在の心境を教えてください。 やっぱり自分がプロレスラーとして変わってきたのを感じています。入団当初と比べて、私だけじゃなく、周りの選手も大きく成長しているのを目の当たりにして、自分ももっと感情を全面に出せるレスラーにならなきゃいけないと日々考えています。この試合に向けては、最初の10秒で相手を圧倒するぐらいの気迫で臨まないといけないと強く思っています。 ―― 今年を振り返ると、大きな変化を感じることはありますか? そうですね、一番大きな変化は、スケジュールの多さです。毎週末の地方遠征が続き、試合の連続で、明日には別の試合が待っているという状況が日常的になりました。入団してから7ヶ月が経ちましたが、「まだ数ヶ月しか経っていない」と感じる反面、「もう7ヶ月も経ったのか」と思うこともあります。それでも、マリーゴールドにいる感覚は2年くらい経ったような気もしますね。時が過ぎるのが早いですね。 ―― その中で、肉体的なダメージやコンディションについてはどうですか? 意外とこなせていますが、もちろん怪我もしました。大きな問題はないものの、試合が続くと肉体的な負担が積もっていくのは感じますね。未来のことはあまり考えていなくて、目の前に来る試合に集中しているという感じです。例えば、1月3日のGHCが決まって、その期間にどう過ごすかを考えています。この1ヶ月間は自分の中で一歩踏み出した感じがあり、確実に変わったと思います。 ―― アクトレスガールズからプロレスラーに転身したことで、心境に変化はありましたか? 転身については、やはり気持ちの切り替えが大きかったですね。アクトレスガールズではプロレスラーの役を演じていた感覚がありましたが、今は本当にプロレスラーとして、日常的に試合をしている実感があります。それは発信の仕方にも表れています。SNSでの投稿でも、より自分の心と向き合うようになりましたし、プロレス媒体に載るなど、プロレスラー後藤智香として認知されることが大きな変化ですね。これは本当に嬉しいことです。 ―― その中で、最も印象的だった出来事はありますか? 一番嬉しかったのは、中学時代の担任の先生が試合を見に来てくれたことですね。アクトレスガールズ時代には誰にも言っていなかったんですけど、ネット記事で私がプロレスラーになったことを知って、試合に足を運んでくれたんです。その後、同級生や先生が応援に来てくれて、東京が地元ということもあって、こういった再会やつながりがあるんだなと感じました。 ―― プロレスは勝負の世界で、勝ち負けがはっきりしています。その悔しさや喜びについてはどう感じていますか? 負けるのは本当に悔しいですし、自分が負けず嫌いだということを改めて実感しました。でも、勝ったときはもちろん嬉しいですし、負けたときもファンの方々が共感して「悔しい」と言ってくれることが嬉しいですね。負けたのにファンが一緒に悔しがってくれるのは、本当にありがたくて、プロレスラーになってこの感情を共有できることが楽しいです。 ―― ご両親や友達の反応はどうですか? 両親は心配している部分が多いですね。特に母親は怪我が心配で、命に関わる仕事だからとても心配しています。でも、逆に父親は応援してくれて、試合前にLINEで「今日も頑張ってこい」などメッセージをくれます。特に東京の試合には必ず来てくれて、地方の試合でも「体に気をつけてね」と言いながら応援してくれています。友達は、「プロレスラーになったんだ、すごい!」と応援してくれて、みんな楽しんでくれているのが嬉しいですね。