【日本シリーズ】ソフトバンク vs DeNA"2017年の再現"か!? "史上最大の下克上"か!?
■ソフトバンクが誇る歴史的戦力 DeNAの好材料と課題を挙げてみたが、結局、ソフトバンクがどれだけ本来の力を発揮できるか次第のシリーズになりそうだ。その意味でも、負傷離脱していた近藤健介と柳田悠岐がCSから復帰できたのは大きい。 「9月に若干足踏みした印象もありますが、柳田に加えて近藤まで離脱し、飛車角落ちの状況だったから。彼らが戻ってきたことで、まず打線の並びが良くなりました。今宮健太の6番もハマっており、周東佑京が9番にいるのも怖い。ここにきて、抑えのロベルト・オスナの状態も上がってきているのは好材料です」 この充実戦力が戻ってきたからこそ、CSファイナルステージでも日本ハムを圧倒。レギュラーシーズン終盤に7連敗を喫するなど苦手としていた相手を寄せつけなかった。 「やはり、本来の戦力が戻ると地力が違います。また、9月に調子を上げた日本ハムに対して、ソフトバンクは日本シリーズまで見据えてピークを後ろに持ってきた。そこでも差がついたと思います」 今季のソフトバンクは攻撃・守備・走塁・投球すべてが高水準で隙がない状態だ。 「シーズン91勝は歴代7位タイ。さらに、球団2度目の得失点差200点超を記録。超投高打低だった今季は1点の価値が例年よりも高く、チーム力の傑出度はプロ野球史上最高クラスといえます」 また、これだけの巨大戦力にもかかわらず、ソフトバンクにはスキがない。リーグ優勝しながら日本シリーズ進出を逃した巨人と比較すると、CSに対する準備に違いがあったという。 「CSは全試合ナイターにもかかわらず、ファーストステージ期間中、巨人は主力選手の多くが、東京ドームで午前中に調整練習を行なっていたようです。 対して、ソフトバンクは4番の山川穂高が率先してフェニックス・リーグに参戦し、実戦経験を重ねていました。一時期、ペナントを制してもCSで勝てなかった歴史があるから、球団としての危機意識とノウハウがあるのでしょう」 こうした戦力面、意識面での充実ぶりに加え、お股ニキ氏は「ペナントレースの価値を守るためにも、ソフトバンクは負けられない」と続ける。 「リーグは違えど、レギュラーシーズンで貯金42のソフトバンクに対して、DeNAは貯金2。その差が40もあるのは考えものです」 2010年にレギュラーシーズン3位から日本一を達成したロッテは貯金8だった。〝史上最大の下克上〟に立ちはだかる壁は分厚いが、果たして―。 文/オグマナオト 写真/時事通信社