シニアが注意したい〈生活不活発病〉とは?「することがない」「面倒くさい」と感じている人ほど要注意。意識を変えるだけで予防に
人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。 * * * * * * * ◆生活不活発病とは… シニアが注意したい病気の一つとして、生活不活発病があげられます。 何かのきっかけで体や脳を使わない状態が長く続き、心身の機能が低下して動けなくなり、最終的に認知症になるものです。 インフルエンザなどで数日間安静にしていると、回復後に足もとがふらつくなど、自分の体が思いどおりに動かない気がするものですが、生活不活発病は、そんな状態がさらに進んだものといえます。 すぐに治るだろう、ちょっと筋肉がなまっただけ……などと安易に考えないようにしてください。筋力の衰えだけではなく、心肺機能の低下、便秘、静脈血栓症、関節の動きの悪化、自律神経失調、うつなどの症状があらわれるケースもあるからです。
◆生活不活発病は回避できる 日頃から「することがない」「何でもやってもらえる」「面倒くさい」と感じている人ほど要注意です。 たとえば「することがない」といって家でゴロゴロしていると足腰が弱ってしまいます。 「何でもやってもらえる」というのは一見恵まれているように見えますが、「面倒くさい」と同様に、足腰どころか気力まで失われてしまいます。 少し足腰が弱くなったとしても、歩くことや身のまわりのことを他人に任せずに自分でやる。これなら、生活不活発病にはならないでしょう。
保坂隆
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