【プレミア12】MLBスカウトが見たメジャーで通用する打者の実名
国際大会「プレミア12」で2大会連続の優勝を目指す侍ジャパンは、21日から東京ドームでスーパーラウンドに臨む。 5戦全勝で突破したオープニングラウンドでは計36得点。4番候補だった村上(ヤクルト)、岡本和(巨人)が故障の影響で大会前に相次いで出場を辞退し、大砲不在の中で白星を重ねた。バックネット裏から視察したMLB関係者にはどう映ったのか。 台湾ラウンドを戦った各代表チームに目を光らせたナ・リーグのスカウトは「アジア圏のチームでは金倒永(キム・ドヨン)のパフォーマンスが抜きんでていた。21歳という年齢を考えても、これからが楽しみ」と、KBO史上最年少でトリプルスリーを達成した〝韓国の至宝〟に目を奪われたという。 もっとも、メジャーで通用するかどうかを見極める一つのポイントは、大会成績ではなく仕留めた球種やコースにあるという。中でも重視するのは「インコース高めの直球」。この厳しいコースの球に合わせながら流して打つのではなく「速さと球威に負けず、引っ張ってスタンドに持っていく力があるか」がカギになるという。 同スカウトは10年以上もNPBの試合をチェックしており「日本の元メジャーリーガーで言えば、筒香(現DeNA)がまさにその例。日本では本塁打王を獲得したけど、メジャーに行く前からインコースの高めや、少し中に入った球を逆方向に打っても引っ張れなかった。米国に行っても結局、インハイの対応に苦労していた」と振り返る。 一般的にはアジア圏の選手はパワーだけでは中南米や米国の選手には劣ってしまう。ただ、メジャーで通用するかどうかを見極めるポイントはインハイの真っすぐをいかにさばけるか。東京ドームでも〝海を渡れる侍〟の発掘へ、厳しい目が注がれる。
赤坂高志