石川祐希に髙橋藍……スター誕生で人気沸騰の陰で日本バレーボール協会を悩ます「おカネの問題」
パリ五輪はメダル獲得にはならなかったが、大会期間中の男子バレーボール日本代表の人気はダントツだった。男子バレー予選ラウンドのチケットは開幕前に完売。海外開催の五輪にもかかわらず男子の日本戦では会場全体で日本へのエールで盛り上がっていた。ネーションズリーグ(’23年6月・フランスラウンド)では強豪ブラジル代表を30年ぶりに撃破するなど、金メダルへの期待感もあった。 「まるでカップル」パリ五輪でバレー・髙橋藍とフジ佐久間アナの”独占お喋りタイム”に非難殺到のワケ 最新の世界ランクは6位で、欧州トップのイタリアリーグで主力として10年在籍している石川祐希(28)とインスタグラムのフォロワー数では世界270万人を突破した髙橋藍(らん、22)のダブルスターを中心に人気沸騰。5月には髙橋が、10月にスタートするSVリーグに参加したサントリーサンバーズ大阪への電撃入団を発表。その会見の席で同チームの栗原圭介ゼネラルマネジャーは髙橋に支払う年俸について金額は明言しなかったが、「車も家も買えます。東京では難しいかもしれないけど、お家2つぐらい。他のスポーツに引けを取らないオファー」と胸を張った。それでも、日本バレーボール界はある「問題」に頭を悩ませているという。夕刊紙記者はこう明かす。 「それは日本バレーボール協会(以下、JVA)にお金がないことです。代表選手もパリ五輪に行くときはビジネスクラスだったのに、帰りはエコノミーで帰ってきたようです。また、選手たちはコンディションを整えるのに難しい環境だった選手村にずっと滞在していたのです」 ’22年に就任し、現在2期目にあたるJVAの川合俊一会長(61)は日本代表選手のブランド価値を高めるため、欧州や南米遠征では代表選手が搭乗する飛行機の座席をエコノミーからビジネスクラスに変更するなど、改革に乗り出した。しかし今年4月、JVAの財政状況についてこんな趣旨のことを発言している。前出の夕刊紙記者が明かす。 「川合会長はこう言いました。『はっきり言って赤字です。こんなにお金がかかるとは思わなかった』と。JVAの’23年度の決算報告書を見ると、経常収益は約35億円で経常費用のほうが約3億円多い。そこでJVAは現在27社から約11億4600万円のスポンサー支援を受けていて、これをロス五輪に向けた今後4年間で最低でも32社15億円まで引き上げたいとも明かしています。パリ五輪でメダルを獲れれば、それが夢物語でなくなると目論んでいたようです」 パリ五輪期間中は会長自らTVに積極的に出演する”営業活動”を展開してきたが、大会前の”目論見”は男女共にメダルに届かなかったことで夢物語に終わってしまった。 五輪特需にあやかれなくても、国内で稼げる方法はないのか。そこにバレーボール界特有の問題があるという。 「毎年秋に開幕する国内トップリーグ(10月からSVリーグと改称)では、翌年の5月までの活動日程が組まれます。そのリーグ戦の間に、仮に日本代表戦を組み込みたいと思っても、国内リーグに所属する選手をリーグ戦の最中に招集できないルールになっています。サッカーの代表戦のようにバレーの代表戦を国内で開催することは至難の業です」(バレーボール担当記者)