石川祐希に髙橋藍……スター誕生で人気沸騰の陰で日本バレーボール協会を悩ます「おカネの問題」
パリ五輪に出場したサッカーと比べてみよう。サッカーの日本代表戦を国内で開催した場合、①入場料②テレビ放映・配信権の収入だけで最低でも1試合3億円以上の収益が日本サッカー協会(以下、JFA)に入る仕組みができている。さらに財政状況についても、JFAではW杯2大会ごとにスポンサー契約を更新。この3月に更新したその規模を知ると、JVAの規模がいかに小さいかがわかる。 「JFAは8年総額350億円という巨額スポンサーに支えられています。JFAにこの契約を仲介した大手広告代理店(電通)は各スポンサーごとに10~15%程度のマージンを受け取り、双方ウィンウィンとなる蜜月関係が続いています。それとは別に電通は毎年40億円以上のスポンサー料をJFAに支払っているんです」(前出の夕刊紙記者) 350億円という巨額スポンサー料は分割される形で支払われるという。他の競技団体に「JFAはお金の苦労がなくて羨ましい」と言われる理由がここにある。前出の夕刊紙記者はこう明かす。 「川合会長はサッカー界の事情も熟知していて、『(バレーボールの)代表チームの有料紅白戦でもできないか』など多くの施策を検討しているようですが、今のところ具体的に形になっているものはありません」 そうなると国内リーグをどう盛り上げるかがカギになる。10月にスタートするSVリーグは男子10、女子14チームでスタートする。リーグの運営責任者となるチェアマンに就任するのは、’22年からリーグの運営に関わり、サッカーJリーグ常務理事やバスケットBリーグチェアマンを歴任した大河正明氏(66)。日本のサッカー界とバスケットボール界を改革した川淵三郎氏(87)の“右腕”として動いていた人物だ。JVA関係者はこう明かす。 「SVリーグは将来的に完全プロ化を目指す、アマプロ混在のリーグです。各チームの売り上げを’26年シーズンまでに年間4億円、それ以降は6億円以上にすることを求められていて、これを達成できないと、プロクラブになるためのライセンスを取ることができない可能性があるのです」 サッカーJ1でいうと’23年J1在籍クラブの年間平均売り上げは53億9900万円だ。SVリーグがまず目指しているのは、J3(同年間平均売り上げ6億5500万円)とほぼ同じ規模だ。 パリ五輪で主力として活躍し、「私は一旦代表は休憩します」とSNSで発表したSVリーグの大阪ブルテオン(旧パナソニックパンサーズ)の西田有志(24)は日本バレー界の盛り上がりについてこう明かしている。 「国内リーグになると観客動員も途端に減少する。この繰り返しだった。(10月に開幕するSVリーグが)ラストチャンスだと思っている」 西田に加えて、髙橋、石川……。ファンが見たい選手はいるだけに、”宝の持ち腐れ”にならないためにも、10月開幕のSVリーグも、1993年にスタートしたサッカーJリーグのように爆発的人気を呼びたいところだ。
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